ふぅ……何とか落ち着いてきたな。日も殆ど落ちかけてるし、ホントにこのままチャレンジを続行するのか……。

琥珀「どうしたんです?志貴さん。早く次の挑戦者を。」

志貴「え?ああ、そ、そうだね。」

次は当然アルクエイドだろ。アイツこそ夜になったら何をするか分かったもんじゃない。

志貴「それじゃ、アルクだな。」

アルク「えーーー!もっと遅く指名してよぉ。」

志貴「うるせえ!俺は大事な体を守らなきゃいけないんだよ!」

アルク「ぷーーーーっ!」

不満そうにアルクは頬を膨らませた。

琥珀「それじゃあ、アルクさんはどんなシチュエーション?」

アルク「自由演技♪」

志貴「おい、何が自由だよ。それじゃシチュエーションゲームにならないじゃ……。」

琥珀「自由ですね。それじゃスタート!!」

へ?普通に始まっちゃったよ……。本来のゲームの意味を失ってるじゃないか……。

アルク「それじゃあ、志貴、ベンチに座って。」

志貴「ん?こうか?」

アルク「そうそう!それじゃあ………んむっ。」

志貴「−−−っ!!」

アルクは俺をベンチに座らせるや否や奇襲攻撃とも言えるディープキスで先制した。一瞬、何が起きたのか把握できなかったが、アルクの顔が異様に接近している事から、間もなくして俺は状況を把握した。

志貴「プハッ……いきなりかよ?アルク、もちっと雰囲気ってモンが………!!」

アルクは有無を言わさず再びキスをしてきた。しかも舌まで入れて……。体を摺り寄せてアルクは切なそうに声を漏らすと、より強く唇を押し付けてきた。……コイツ、マジでやる気みたいだな。……クソ!負けるか……。俺は変な対抗意識を燃やしていた。アルクエイドには好き勝手やらせたくなかった。いや、俺が主導権を掌握したかった。俺はアルクの頭に手を遣ると、グッと押し付けて更に強くキスをした。

アルク「!!……んむぅ…んぐっ!!……くっ…プハァッ!!」

志貴「ハァハァ……いやぁ、苦しかった……。どうだ?アルク。俺がただやられっ放しだと思ったか?これぞ遠野流、唇返し!!」

アルク「ハァ…ハァ…中々やるじゃない。それじゃ、これはどう?」

何だろうな……対抗意識を燃やしてると、理性が保てるぞ。全然本能が、黒い欲望が湧き上がってこない。弓塚の時なんてキスで理性が飛びそうだったのに……こりゃいいや。俺が解決法を見出していると、アルクは胸を俺の顔に当てて、揺すり始めた。突然の事に動揺する俺に、更に拍車をかける様に、アルクは足を絡めて俺の体に乗っかった。甘くてイイ香りが漂ってくる。しかもアルクの体の肉感が直に伝わってきて、かなりヤバイ感じだ。

志貴「ングッ!!く、苦しい……おい、アルク!胸をどけろ!呼吸が出来ない……。」

アルク「あら、そんな事言って、本当はしゃぶり付きたいクセに。」

志貴「本当に苦しいんだよ!……このやろ!」

俺は苦し紛れにアルクの胸を鷲掴みにした。ビクッと体を仰け反らせると、アルクは恍惚とした目で俺を見てきた。

アルク「あ!……あ、はぁ……志貴……大胆。」

志貴「ハァハァハァ……死ぬかと思った。アルク!少しは人の事も考えて………!!!!」

目の前に居るアルクが徐に上着を脱ぎ始めた。ブラジャーだけになった上半身を俺に擦り付けながら、アルクは艶っぽく笑った。

志貴「ちょ、ちょっとアルク!!止めなさいって!!」

アルク「もう、ダメ……我慢できない………。」

するとアルクはスカートに手を掛けた。おいおい…何をするつもりだ?……まさか、ここで下着だけになるつもりではあるまいな…………う、うわーー!!ヤバイぞ、どうする?遠野志貴!!

志貴「おい、アルク!止めろって!!」

アルク「もう………止まらない……。」

途切れ途切れに言葉を紡ぐと、アルクはスカートを下ろした。俺に体を寄せて恍惚とした表情で荒く呼吸をするアルクは、純白の下着を着けていて、とても綺麗だった。と同時に俺の中に眠っていた欲望が渦を巻き始めた。………止めろ…治まるんだ…。

志貴「アルク……お前。」

アルク「いいよ……志貴だったら、食べていいよ。」

その瞬間、俺の理性はほぼ消え失せた。アルクの胸を掴むと、ゆっくりと揉みしだいていった。

アルク「ああ……そ、そう……そこ気持ちいいよ……。」

まんまとアルクの罠に掛かってしまった。これで俺もゲームオーバーか………。そう思って俺はアルクのブラジャーのホックを外して、直に胸を揉んでいった。ビクンと大きく体を痙攣させると、アルクは切なそうに声を上げて善がりだした。

アルク「はぁ……イイ……イイよ……。」

俺はもう最後までヤルつもりだった。胸を片手で揉みながら、残った片方の手で、アルクの秘所へと手を這わせていったその時、

???「だめーーーーーーーー!!!!」

ズガンっ!!鈍い音を立ててアルクが吹っ飛んだ。え?!な、何だ??何が起きたんだ?!俺は慌てて体裁を整えると、ベンチの近くで泣きべそをかいている女の子を見つけた。

志貴「み、都古ちゃん!!どうしたの?こんなところに。」

都古「えぐ…ひっく……お兄ちゃんが、えぐ…襲われてたから。」

あ!なるほど、アルクと俺の光景を見て、俺が襲われてると思ったんだ。にしても、こんなに泣きべそまでかいて…よっぽど俺を心配してくれてんだ。俺の中にあった欲望は、都古ちゃんの顔をみていたら消えていた。こんなに心配してくれる妹がいるんだ。
欲望だけで突っ走っちゃだめだな。

志貴「都古ちゃん、ありがとう。俺は大丈夫だから。」

都古「ほんとう?」

志貴「ああ、都古ちゃんが来てくれたからね。」

都古「えへっ♪良かったぁ。」

都古ちゃんの純真無垢な笑顔に思わずドキッとした。そうだよな。俺ってばこんな不純なゲームに手を染めちゃって…。自己嫌悪が沸々と湧き上がってきた。そうだ、こんなゲームさっさと終らせよう。絶対欲情するもんか。都古ちゃんの笑顔を思い出せば大丈夫だ。

ネロ「おーーい!都古、このような所に来ておったか。さ、行くぞ。」

志貴「ネロ?!何でまた来たんだよ?それに、都古ちゃんをどこに連れて行くんだ?」

ネロ「先も述べたとおり、老人の集いし場所に行くのだ。都古はあくまで偶像的肖像(マスコットキャラクター)として活躍してもらうのだ。」

志貴「は、はぁ……。」

都古「そういうわけだから、じゃあね!お兄ちゃん。」

志貴「あ?ああ、さよなら!都古ちゃん。」

ネロに連れられて風の様に都古ちゃんは去っていった。一体何だったんだろう……おっと!そう言えばアルクは?!都古ちゃんのコンボをまともに受けて吹っ飛んだからなぁ……しかもパンツ一枚だし……。ふとアルクが吹き飛んだ方へ視線を遣ると、そこにはただ立ち尽くすアルクが居た。

志貴「おーーーい……大丈夫か?」

アルク「…………。」

異様な殺気に思わず身動ぎしてしまった。

アルク「……あのガキーーーーー!!!!殺してやるーー!!」

志貴「待て待てって!!都古ちゃんは俺を心配してくれただけだよ!!お前に恨みがあるとかそんなんじゃないって!!」

俺は必死にアルクを羽交い絞めにして止めた。

琥珀「はい!それじゃあそこまでですね。」

アルク「ぷーーーーーっ!!折角、志貴がパンツの中に手を入れてこようとしてたのにぃーーー!!」

志貴「ば、バカ!!そんな事言うなよ!!」

こうして、何とか切り抜けた俺であった。

続く。

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