月姫パロ 「恋愛シチュエーションゲーム」 秋葉編
2004年8月30日 日常夜もすっかり帳を降ろし、街は顔色を一変して、大人の世界にう移ろいで行く中、俺は残り二人まで、何とか理性を残すことが出来た。後は、妹の秋葉と、使用人の琥珀さんだ。さて、誰を選ぼうか……。よし、秋葉にしよう。秋葉に何時までもあんな姿を晒していたんじゃ、可哀想だ。
志貴「それじゃ、秋葉。」
秋葉「わ、私の番ですね……分かりました。」
秋葉の少し物寂しげな表情に、何だか罪悪感が生まれた。俺は、妹の前でいろんな醜態を晒して、何をやってんだか……。
琥珀「秋葉様は、どの様なシチュエーションで?」
秋葉「えっと……その、私は……。」
秋葉の慌てて顔を上気させている姿に、俺はもう居ても立っても居られなくなった。
志貴「秋葉……コッチにおいで。」
秋葉「え?に、兄さん?」
志貴「いいから、ホラ。横においで。」
俺のいつもとは違う雰囲気に戸惑いを見せた秋葉だったが、自分では特にこれと言ったシチュエーションを考えていなかったらしく、コクリと頷くと、俺の横に体を強張らせながら座った。
志貴「……ごめんな。秋葉!!」
俺は秋葉をグッと抱き寄せると、自分でもワケが分からない内に涙が溢れていた。ただ、秋葉に謝りたい。血を分けた、たった一人の妹の目の前で俺は、あんな事を……。俺は自分が情けなくて、悔しかった。
秋葉「に、兄さん?!……どうしたの?」
志貴「ごめんな……ごめんな……。辛かったよな……兄貴が目の前であんな風に……ごめん……ごめんよ秋葉……。」
秋葉「!!……に、兄さん……私、私……う、うわぁぁぁん!」
秋葉が泣いた……。大声を上げて泣いた………。俺の腕の中で身を震わせて、すがる様に泣いた。
志貴「俺って、バカだから……お前がどんな気持ちで見てたかなんて、気付かなくってさ……。悔しいよ……情けないよ……。」
俺の目からは更に涙が溢れて止まらなかった。幼少時代も秋葉を遠野の屋敷に置いて、有間に移った癖に……今日もまたこんな苦しくて辛い思いを秋葉にさせている……。最低の兄貴と敬遠されても当たり前だろうな……。
志貴「俺を、嫌ってくれて構わないよ……俺はお前に幼少時代も、そして今日も辛い目を見せた。こんな、こんな兄貴なんて……うぅ……。」
秋葉「いいよ……気にしてないよ……。私は、兄さんの事、ずっと、昔からずっと好きだから……だから、だから……泣かないで……兄さんが泣いてると、私だって……うぅ、うわーーーん。」
秋葉が俺の為に泣いてくれてる……。こんな最低の兄貴を好きだって……。胸がズキリと痛んだ。ギュウっと締め付けられて、俺は秋葉をひたすら抱き締めた。
志貴「秋葉………。こんな男でも……慕ってくれるのか?」
秋葉「当たり前だよ……ぐすっ…だって、お兄ちゃんは、秋葉のたった一人のお兄ちゃんだから………。うぅ……ごめんね、意地っぱりで……ごめんね……冷たくしたりして……うぁぁぁぁ!」
泣きじゃくる秋葉を俺は更にグッと抱き寄せた。俺の所為で、秋葉は一人ぼっちになったのに……秋葉は俺に謝ってる……。冷たい態度を取られて然るべきはずの俺に、秋葉は冷たくしてごめんねと言っている……溢れる涙は更に洪水のように俺の頬を伝った。唇を噛み締め、必死に声押し殺して、俺は泣いた…。
志貴「ごめん……ごめん……。」
ただその一言しか言えなくて、俺はもどかしかった。こんな事しか俺には言えないし、言う資格なんてない……。なのに、秋葉はただひたすらに俺を許してくれる……。くそ……何でだよ!……何で俺を罵倒しないんだ!……何でこんなにも直向に俺を好いてくれるんだよ………苦しいよ……胸が締め付けられるよ…。
秋葉「もう少しでいいから、お兄ちゃんの腕の中で泣いていい?」
志貴「ああ、いくらでも泣いていいよ。俺の大切な秋葉…。」
秋葉「うぅ…お兄ちゃん……寂しかったよぉ!辛かったよぉ!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん………。」
秋葉は涙が枯れるまで俺の腕の中で泣いた。俺はその姿がとても辛くて見れなかった。いや、溢れる涙で視界が遮られ、ただ抱き締めてやる事しか出来なかった……。
琥珀「うぅぅぅ……感動ですぅぅ。」
アルク「うわぁぁぁん…良かったね、良かったねぇ志貴ーー!」
弓塚「うぅっ……私、こういうの弱いんだよね…。」
シエル「これは、邪魔するわけにはいきませんね。」
シオン「ええ、そうですね。」
琥珀「うぅぅぅぅ……もう、ゲームは終わりにしましょう。」
琥珀さん達は、知らない間に帰っていた。部屋には、俺と秋葉だけが残っていた。どうやら、琥珀さんもゲーム続行は断念したみたいだ。
志貴「秋葉、今日は一緒に俺が居るから。」
秋葉「うん……もう、離れちゃイヤだよ……お兄ちゃん…。」
志貴「ああ、ずっとずっと、一緒だ。」
秋葉「ね、お兄ちゃん……。」
志貴「ん?」
秋葉「……ダイスキ!……。」
……こうして、俺は、かけがえの無い存在に気付く事が出来た。
身近に居たのに、逆に近すぎて見失っていたもの……。気付くのは遅かったけど、それでも構わない……。嫌なゲームだと思っていたけど、今はちょっと、感謝したいな……。
END
志貴「それじゃ、秋葉。」
秋葉「わ、私の番ですね……分かりました。」
秋葉の少し物寂しげな表情に、何だか罪悪感が生まれた。俺は、妹の前でいろんな醜態を晒して、何をやってんだか……。
琥珀「秋葉様は、どの様なシチュエーションで?」
秋葉「えっと……その、私は……。」
秋葉の慌てて顔を上気させている姿に、俺はもう居ても立っても居られなくなった。
志貴「秋葉……コッチにおいで。」
秋葉「え?に、兄さん?」
志貴「いいから、ホラ。横においで。」
俺のいつもとは違う雰囲気に戸惑いを見せた秋葉だったが、自分では特にこれと言ったシチュエーションを考えていなかったらしく、コクリと頷くと、俺の横に体を強張らせながら座った。
志貴「……ごめんな。秋葉!!」
俺は秋葉をグッと抱き寄せると、自分でもワケが分からない内に涙が溢れていた。ただ、秋葉に謝りたい。血を分けた、たった一人の妹の目の前で俺は、あんな事を……。俺は自分が情けなくて、悔しかった。
秋葉「に、兄さん?!……どうしたの?」
志貴「ごめんな……ごめんな……。辛かったよな……兄貴が目の前であんな風に……ごめん……ごめんよ秋葉……。」
秋葉「!!……に、兄さん……私、私……う、うわぁぁぁん!」
秋葉が泣いた……。大声を上げて泣いた………。俺の腕の中で身を震わせて、すがる様に泣いた。
志貴「俺って、バカだから……お前がどんな気持ちで見てたかなんて、気付かなくってさ……。悔しいよ……情けないよ……。」
俺の目からは更に涙が溢れて止まらなかった。幼少時代も秋葉を遠野の屋敷に置いて、有間に移った癖に……今日もまたこんな苦しくて辛い思いを秋葉にさせている……。最低の兄貴と敬遠されても当たり前だろうな……。
志貴「俺を、嫌ってくれて構わないよ……俺はお前に幼少時代も、そして今日も辛い目を見せた。こんな、こんな兄貴なんて……うぅ……。」
秋葉「いいよ……気にしてないよ……。私は、兄さんの事、ずっと、昔からずっと好きだから……だから、だから……泣かないで……兄さんが泣いてると、私だって……うぅ、うわーーーん。」
秋葉が俺の為に泣いてくれてる……。こんな最低の兄貴を好きだって……。胸がズキリと痛んだ。ギュウっと締め付けられて、俺は秋葉をひたすら抱き締めた。
志貴「秋葉………。こんな男でも……慕ってくれるのか?」
秋葉「当たり前だよ……ぐすっ…だって、お兄ちゃんは、秋葉のたった一人のお兄ちゃんだから………。うぅ……ごめんね、意地っぱりで……ごめんね……冷たくしたりして……うぁぁぁぁ!」
泣きじゃくる秋葉を俺は更にグッと抱き寄せた。俺の所為で、秋葉は一人ぼっちになったのに……秋葉は俺に謝ってる……。冷たい態度を取られて然るべきはずの俺に、秋葉は冷たくしてごめんねと言っている……溢れる涙は更に洪水のように俺の頬を伝った。唇を噛み締め、必死に声押し殺して、俺は泣いた…。
志貴「ごめん……ごめん……。」
ただその一言しか言えなくて、俺はもどかしかった。こんな事しか俺には言えないし、言う資格なんてない……。なのに、秋葉はただひたすらに俺を許してくれる……。くそ……何でだよ!……何で俺を罵倒しないんだ!……何でこんなにも直向に俺を好いてくれるんだよ………苦しいよ……胸が締め付けられるよ…。
秋葉「もう少しでいいから、お兄ちゃんの腕の中で泣いていい?」
志貴「ああ、いくらでも泣いていいよ。俺の大切な秋葉…。」
秋葉「うぅ…お兄ちゃん……寂しかったよぉ!辛かったよぉ!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん………。」
秋葉は涙が枯れるまで俺の腕の中で泣いた。俺はその姿がとても辛くて見れなかった。いや、溢れる涙で視界が遮られ、ただ抱き締めてやる事しか出来なかった……。
琥珀「うぅぅぅ……感動ですぅぅ。」
アルク「うわぁぁぁん…良かったね、良かったねぇ志貴ーー!」
弓塚「うぅっ……私、こういうの弱いんだよね…。」
シエル「これは、邪魔するわけにはいきませんね。」
シオン「ええ、そうですね。」
琥珀「うぅぅぅぅ……もう、ゲームは終わりにしましょう。」
琥珀さん達は、知らない間に帰っていた。部屋には、俺と秋葉だけが残っていた。どうやら、琥珀さんもゲーム続行は断念したみたいだ。
志貴「秋葉、今日は一緒に俺が居るから。」
秋葉「うん……もう、離れちゃイヤだよ……お兄ちゃん…。」
志貴「ああ、ずっとずっと、一緒だ。」
秋葉「ね、お兄ちゃん……。」
志貴「ん?」
秋葉「……ダイスキ!……。」
……こうして、俺は、かけがえの無い存在に気付く事が出来た。
身近に居たのに、逆に近すぎて見失っていたもの……。気付くのは遅かったけど、それでも構わない……。嫌なゲームだと思っていたけど、今はちょっと、感謝したいな……。
END
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