俺は遠野志貴……。子供の頃の事件が切っ掛けでモノの死が見える様になった……。そのお陰でいろんな奴と出会い、今じゃイロモノが多くなってしまった……はぁ……。

「う、う〜ん……。」

やけに陽射しが強いな……俺は朝に相応しくない強烈な光で目を覚ました……。

「やっと起きましたか、兄さん。」

ん?今の声は秋葉だよ…な…?どう言う事だろ……翡翠じゃ無いなんて……。

「ん?おはよう……今日は翡翠じゃ無くて秋葉が起こしてくれたんだ……。」

すると、秋葉は明らかに表情を引きつらせた。何だ?

「あの、兄さん……覚えてないの?」

ん?何を??覚えて……?俺には何の事かさっぱり分からなかった。首を傾げると、率直な質問をぶつけてみた。

「いや、何の事だい?」

「やはり……昨日の兄さんはそれはもう……。」

何か昨日を思い出したのか秋葉の顔は朱色に染まっていた。
なーんか……とんでもなく恥ずかしい事を俺はしたのか?……というか俺は、遠野志貴は昨日何をしたんだ?……屋敷に戻ってきて……琥珀さんが今日はごちそうですよと豪勢な食卓で……
途中、アルクやシエル先輩……なぜか有彦や弓塚までやって来て……アルクがどうせならパーッとやろうとか言い出して……
確かお酒が出てきて……ダメだ!これ以上は思い出せない。

「どうやら、そうみたいだ。お酒を口にした後の記憶が無いんだよ……。」

「はぁ……都合の良い頭ですね。兄さんがうらやましい…。」

皮肉っぽく呟くと秋葉はキッとコチラを睨んだ。

「でも、昨日のアレは忘れてもらっては困るんです!!」

「って言われても……。」

返答に困窮していると、秋葉が俺の腕を掴んできた。

「じゃ、ロビーにみなさんが居ますんで、直接聞いて確かめてください。」

有無を言わさずに俺はロビーに連れてこられた。視線を泳がすと、そこには昨日のメンバーが勢ぞろいしている……。

「やっと来たか、この不良!」

有彦のいつもの台詞……。

「遠野くん、昨日は凄かったですね。」

シエル先輩の意味深な発言……。

「志貴さんったらとーっても上手いんですね♪」

琥珀さんは半ば頬を染めながら………。

「志貴ってばああいう時は吸血鬼以上にタフよね〜。」

アルクは疲れたように肩を慣らしている……。なんなんだよ?!俺は一体何をしたって言うんだよ〜!!

「な、なぁアルク…俺は昨日何をした?」

不躾だとは思ったが俺は率直に聞いた。

「まさか、俺はみんなと………乱…。」

「昨日はホント凄かったよ〜!志貴ってば連戦連勝だもんね♪」

連戦連勝……ってことは一斉じゃなくて一人ずつって事か?……うわーーー!!俺ってば最低じゃないかーー!!

「そ、そんなに凄かったのか?」

「そりゃあもう!全然勝てないんだもん。メルブラ!」

「…………へ?」

何だ?今何だって?……メルブラ……??……!!そうか、分かった!メルティブラッド、格闘ゲームか!!

「そうですよ!兄さん、勝ち逃げなんて絶対許さないんだから!!」

「あ、あはははは。なんだ、そういうことか………。」

俺はとんでもない勘違いをしてたみたいだ……昨日酔った勢いでメルブラをみんなとやって、俺が全勝したってことか……確かにそれなら一連の言葉に頷けるぞ……。

「何を笑っているんです?」

「いや、何でもない!」

「………にしても、メルブラの後のアレは更に凄かったよね〜♪」

「そうですね。遠野くんったらテクニックが凄すぎて私なんてもう足とかガクガクでした!」

……え?!何だって……今、メルブラの後って……。

「兄さん、格闘ゲームだけでなく、アレの時も攻めの姿勢でしたね……。ホント……兄妹だっていうのに……。」

「あ、あの〜、秋葉?俺はまた何かゲームで勝ちまくったのか?」

「いいえ、兄さんはメルブラ以外のゲームはしていませんよ。
ただ……私達、女性陣と………。」

うそ?うそだーーーーーー!!まさか、違うよな?俺はこれだけの数相手に……ってンな事言ってる場合じゃない!!

「女性陣と……?」

恐る恐る聞いた。

「女性陣と、ジェンガで勝負したんですから!!兄妹で争うなんて……ホントに…野蛮なんだから。」

「ほんとに。遠野くんはかなり上手いところを抜くんで、緊張で足ガクガクです!」

「へ?………。」

また?またそういうオチかぁーーーーーー!!

その日一日、俺は弄ばれてしまった……。くそーーー!!人間不信になるだろーーーーー!!

END

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