ロイ「今日は、大総統自ら、この東方支部へ偵察に来られる!」

ハボック「ええ〜っ!?マジですか?」

ロイ「私は嘘など付かん!お前達の様な野郎に付くだけ大損だ!」

ハボック「…………。」

ホークアイ「大佐、大総統がお見えになりました。」

ロイ「そうか。よし!みんな、敬礼で迎えるぞ!!」

ブラッドレイ「おお!諸君、ごくろうさん。」

アームストロング「大総統、長旅でお疲れでしょうから、お休みになられては……。」

ブラッドレイ「ワーッハッハッハ!!私なら心配せんでいい。ところで、鋼のチビ君は?」

ロイ「は!?エドワード・エルリックですか?」

ブラッドレイ「そうだ。」

ロイ「生憎ですが、今日は任務で此処にはおりません。」

ブラッドレイ「な!?何?……それは本当か?」

ロイ「は、はぁ……。」

ブラッドレイ「折角、秘蔵コレクションの中から幾つか持ってきたというのに……。」

ロイ「秘蔵…ですか?」

ブラッドレイ「見たいかね?」

ロイ「え、ええ……。」

ブラッドレイ「なに、大した事は無いが…ホレ。」

ロイ「!!!!(バニーガールにアニメのコスプレ…ウェイトレスにチャイナドレスだと?)」

ブラッドレイ「そうか……おらんのか…それは残念…それじゃ…
ホークアイ中佐……これに着替えなさい。」

ホークアイ「!!!!!」

ロイ「!!」

ブラッドレイ「どうした?私の言う事は聞けないのかね?」

ホークアイ「わ、分かりました……。」

ロイ「大総統……ロイ・マスタング!!一生あなたに着いて行きます!!」

ブラッドレイ「ワーッハッハッハッ!!君も好きだなぁ!!」

ハボック「(エロ親父に、エロ大佐め……。)」

END

季節が変わり

2004年9月2日 日常
季節もいよいよ秋!朝晩の冷え込みが中々心地良く感じております。作業も捗り易く、「めっちゃエエ季節やなぁ…。」なんて一人で浸ってます(^▽^)/

そろそろ「狼狽」第十一章・「十六夜草子」第一幕其の弐を掲載したいと思っておりますんで、どうぞお楽しみに!!
エド「なぁ、昼飯どうする?」

アル「う〜ん……兄さんが好きなトコでいいよ。僕は食べれないから。」

エド「あ!ご、ごめん。アル…。」

アル「いいって。」

町人「うわーーーーー!!」

エド&アル「!!!」

エド「おい!何があった!?」

町人「今、路地の隅で、錬金術師が、傷の男に!!」

アル「兄さん!!きっとスカーさんだ!」

エド「あんにゃろ!!」

スカー「神に背きし錬金術師よ……永久(とこしえ)の眠りの中で懺悔せよ。」

エド「おい!!お前、いい加減にしろよ。」

アル「兄さん!」

エド「黙ってろアル……お前、人の命を何だと思ってんだ…。」

スカー「再び見え様とはな、鋼の錬金術師よ……。」

エド「大体、お前の破壊の手も、錬金術なんだろ……。」

スカー「そうだ。俺は自ら業を背負い生きる事を選んだ。全ては錬金術師を破壊する為……この腕に刻まれし紋様に懸けて。」

アル「うわー!凄い、模様がビッシリだ、。」

エド「フフフフハーっハッハッハッ!!見破ったり、スカー!」

アル「に、兄さん?」

エド「お前のその腕、それは刺青だな!!つまり、お前は【ヤクザの錬金術師】だ!!」

アル「!!」

スカー「…………死ぬがいい…。」

エド「ぬわぁにぃ!!?違うのかぁ??!!」

アル「当たり前だろ!!ヤクザのなんてダッサイし!!」

エド「うるせえ!!黙って逃げろ!!」

スカー「………(ヤクザの…か、今度名乗ってみるか。)」

END
夜もすっかり帳を降ろし、街は顔色を一変して、大人の世界にう移ろいで行く中、俺は残り二人まで、何とか理性を残すことが出来た。後は、妹の秋葉と、使用人の琥珀さんだ。さて、誰を選ぼうか……。よし、秋葉にしよう。秋葉に何時までもあんな姿を晒していたんじゃ、可哀想だ。

志貴「それじゃ、秋葉。」

秋葉「わ、私の番ですね……分かりました。」

秋葉の少し物寂しげな表情に、何だか罪悪感が生まれた。俺は、妹の前でいろんな醜態を晒して、何をやってんだか……。

琥珀「秋葉様は、どの様なシチュエーションで?」

秋葉「えっと……その、私は……。」

秋葉の慌てて顔を上気させている姿に、俺はもう居ても立っても居られなくなった。

志貴「秋葉……コッチにおいで。」

秋葉「え?に、兄さん?」

志貴「いいから、ホラ。横においで。」

俺のいつもとは違う雰囲気に戸惑いを見せた秋葉だったが、自分では特にこれと言ったシチュエーションを考えていなかったらしく、コクリと頷くと、俺の横に体を強張らせながら座った。

志貴「……ごめんな。秋葉!!」

俺は秋葉をグッと抱き寄せると、自分でもワケが分からない内に涙が溢れていた。ただ、秋葉に謝りたい。血を分けた、たった一人の妹の目の前で俺は、あんな事を……。俺は自分が情けなくて、悔しかった。

秋葉「に、兄さん?!……どうしたの?」

志貴「ごめんな……ごめんな……。辛かったよな……兄貴が目の前であんな風に……ごめん……ごめんよ秋葉……。」

秋葉「!!……に、兄さん……私、私……う、うわぁぁぁん!」

秋葉が泣いた……。大声を上げて泣いた………。俺の腕の中で身を震わせて、すがる様に泣いた。

志貴「俺って、バカだから……お前がどんな気持ちで見てたかなんて、気付かなくってさ……。悔しいよ……情けないよ……。」

俺の目からは更に涙が溢れて止まらなかった。幼少時代も秋葉を遠野の屋敷に置いて、有間に移った癖に……今日もまたこんな苦しくて辛い思いを秋葉にさせている……。最低の兄貴と敬遠されても当たり前だろうな……。

志貴「俺を、嫌ってくれて構わないよ……俺はお前に幼少時代も、そして今日も辛い目を見せた。こんな、こんな兄貴なんて……うぅ……。」

秋葉「いいよ……気にしてないよ……。私は、兄さんの事、ずっと、昔からずっと好きだから……だから、だから……泣かないで……兄さんが泣いてると、私だって……うぅ、うわーーーん。」

秋葉が俺の為に泣いてくれてる……。こんな最低の兄貴を好きだって……。胸がズキリと痛んだ。ギュウっと締め付けられて、俺は秋葉をひたすら抱き締めた。

志貴「秋葉………。こんな男でも……慕ってくれるのか?」

秋葉「当たり前だよ……ぐすっ…だって、お兄ちゃんは、秋葉のたった一人のお兄ちゃんだから………。うぅ……ごめんね、意地っぱりで……ごめんね……冷たくしたりして……うぁぁぁぁ!」

泣きじゃくる秋葉を俺は更にグッと抱き寄せた。俺の所為で、秋葉は一人ぼっちになったのに……秋葉は俺に謝ってる……。冷たい態度を取られて然るべきはずの俺に、秋葉は冷たくしてごめんねと言っている……溢れる涙は更に洪水のように俺の頬を伝った。唇を噛み締め、必死に声押し殺して、俺は泣いた…。

志貴「ごめん……ごめん……。」

ただその一言しか言えなくて、俺はもどかしかった。こんな事しか俺には言えないし、言う資格なんてない……。なのに、秋葉はただひたすらに俺を許してくれる……。くそ……何でだよ!……何で俺を罵倒しないんだ!……何でこんなにも直向に俺を好いてくれるんだよ………苦しいよ……胸が締め付けられるよ…。

秋葉「もう少しでいいから、お兄ちゃんの腕の中で泣いていい?」

志貴「ああ、いくらでも泣いていいよ。俺の大切な秋葉…。」

秋葉「うぅ…お兄ちゃん……寂しかったよぉ!辛かったよぉ!うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん………。」

秋葉は涙が枯れるまで俺の腕の中で泣いた。俺はその姿がとても辛くて見れなかった。いや、溢れる涙で視界が遮られ、ただ抱き締めてやる事しか出来なかった……。

琥珀「うぅぅぅ……感動ですぅぅ。」

アルク「うわぁぁぁん…良かったね、良かったねぇ志貴ーー!」

弓塚「うぅっ……私、こういうの弱いんだよね…。」

シエル「これは、邪魔するわけにはいきませんね。」

シオン「ええ、そうですね。」

琥珀「うぅぅぅぅ……もう、ゲームは終わりにしましょう。」

琥珀さん達は、知らない間に帰っていた。部屋には、俺と秋葉だけが残っていた。どうやら、琥珀さんもゲーム続行は断念したみたいだ。

志貴「秋葉、今日は一緒に俺が居るから。」

秋葉「うん……もう、離れちゃイヤだよ……お兄ちゃん…。」

志貴「ああ、ずっとずっと、一緒だ。」

秋葉「ね、お兄ちゃん……。」

志貴「ん?」

秋葉「……ダイスキ!……。」

……こうして、俺は、かけがえの無い存在に気付く事が出来た。
身近に居たのに、逆に近すぎて見失っていたもの……。気付くのは遅かったけど、それでも構わない……。嫌なゲームだと思っていたけど、今はちょっと、感謝したいな……。

END

やっとの思い

2004年8月30日 日常
やっと、十六夜を掲載できました。他の小説の事情が重なって、中々掲載する暇が無かったんですが、今日、漸く、掲載に漕ぎ着けました。
日がすっかりと落ちてしまった。琥珀さんの計らいで、場所を移しての続行となった。暫く見慣れぬ路地を歩いていくと、そこには大変に危なげな看板が目に止まった。―ホテル:愛の巣―
……これは、絶対ラブホテルだぁーー!!

琥珀「夜の部ではここが舞台です♪残ってるのは、私と、秋葉様と、シオンさんですね。」

秋葉「こ、ここって……その……えっと……。」

アルク「ラブホだよね〜。ぷー!ズルイじゃん。」

弓塚「え?!こんなトコに?……。」

志貴「ね、ねえ…琥珀さん。これはマズイんじゃない?俺も弓塚も学生だし、さ。」

琥珀「大丈夫です♪だって、ここは私の所有するホテルですから。」

え?!琥珀さんが……??……何故だ?何故なんだ?この人のバックボーンには何が……。

琥珀「どうしました?」

志貴「い、いや、何でもない……。」

琥珀「それじゃ、入りましょうか。」

琥珀さんに案内された部屋に入ると、そこは正にエロチックな雰囲気全開の部屋だった。間接照明はピンクだし、何かベッドはシルクのサラサラしたやつだ……。一緒に入れるジャグジーに、何やら怪しげなタンスが一棹……。恐る恐る俺はタンスの引き出しを開けた。すると、一段目にはとてもエロいランジェリーがビッシリと詰まっている。慌てて二段目を開けると、今度は大人の玩具が!!………自分でも分かる位顔を高潮させながら俺は三段目を開けた。すると……なんだ?これは?ビン、だよな…。

琥珀「ああ、それは媚薬ですよ♪志貴さん。」

志貴「あの…琥珀さん……俺、やっぱ帰っていいすか?」

琥珀「ダメですよ!!」

志貴「だって、媚薬とかもし飲み物に混ぜてあったらどうすんですか?!俺だって我慢ってもんが……。」

琥珀「大丈夫ですよ!媚薬は反則ですから♪」

そういう問題じゃ無い様な……ま、いいや。全員に付き合ってやるまでは帰れないんだろうし……。だったらそうだな、シオン辺りでいいか……。コイツは別にそう言う事に興味なんて無いだろうし……。

志貴「それじゃ、さっさと終らせて帰らせてもらうよ。次の挑戦者は、シオンでお願いする。」

シオンは自分の名前が指名され、何やら少し慌てた様だ。

シオン「わ、私の番が回ってきたんですね。分かりました。志貴、お相手しましょう。」

志貴「お手柔らかに……。」

琥珀「それじゃあ、シオンさんはどんなシチュエーションで?」

シオン「私のエーテライトで志貴の第四番から十二番回路までを…。」

志貴「コラコラコラ!!そんなのダメだ!!」

シオン「冗談ですよ……。そんな背徳的な事、私は純粋に志貴に喜んで欲しいから……。」

志貴「え?!」

シオンの口から出た意外な言葉に思わずドキッとした。シオンの顔はうっすらと上気し、瞳には潤いが浮かんできた。恍惚とした表情のままシオンは俺に近づくと、覆い被さるようにして、ベッドを背にした俺にしな垂れかかって来た。ムニュっと柔らかい感触が体に伝わった。

志貴「シ、シオン?!」

シオン「私…おかしいんです。……他の挑戦者の方々を見ていたら……感情に乱れが生じて……胸が切ないんです。志貴……。」

志貴「俺にどうしろと?」

シオン「揉んで下さい…。」

俺はシオンの切なそうな顔を見ると、どうしても断る事が出来なかった…。あ〜あ……俺ってお人よしだよな……。愚痴を零しながら俺はシオンの柔らかい二つの膨らみを掴むと、円を描くように揉んでいった。

シオン「あ!……くぁ……へ、変になりそう…です。」

志貴「それが、気持ちイイって事だ。」

シオン「これが……気持ちがイイって事ですか?……胸が切なくって、奥がジンジンして熱い……。」

ん?そういや俺、もう抵抗してないな。ていうか逆に積極的に交わろうとしてる気が……。

シオン「もう、ダメです。志貴…アソコが…ムズムズ…します。」

快感に顔を歪めると、シオンは一糸纏わぬ姿になった。白くて艶やかな肢体が俺の腕の中で胸を揉まれて善がっている……。それも良く良く秘所の方を見れば、濡れてきているのが分かる……。俺はもう理性なんてすっかり無かった。ただ、シオンを抱きたい。それだけに思考回路は働いていた。

志貴「もう濡れてるよ。シオンはエッチだな。」

シオン「いや、そんな……恥ずかしい事を言わないで下さい。」

照れて身を捩るシオンが何とも可愛く見える。さて、そろそろ秘所へ……。俺は既に元気になったジュニアを入れたくて仕方なかった。口付けを強く交わすと、シオンを仰向けにした。

志貴「そろそろ……いいか?」

シオン「もう……我慢できない……来て…下さい。」

秋葉「に、兄さん……。」

アルク「えーー!そんなぁ。ズルイよシオン!!」

互いの合意の下、俺とシオンは結ばれる事に………。ん?何だ?背中に物凄い寒さを……。

ワラキアの夜「フフフフフフ、今宵、ワラキアの象る姿は……。」

志貴「ウわーーーーーーーーー!!!!!!」

シオン「チッ!よくも私と志貴の大事な契りを……!!」

アルク「ここは任せなさい!!消え去れ!!」

ズバアッッ!……ものの数秒でワラキアの姿は引き裂かれた。
一体、何だったんだ??はぁ、これはアルクに助けられたのか?それともワラキアに………ま、どっちにしてもこれでシオンのチャレンジは終了だな。都古ちゃん!お兄ちゃんは何とか操を守ったよ!!って本当はスル気だったんだけど………。にしても、ドンドンエスカレートしていってるな。後は、琥珀さんと秋葉か……秋葉は兄弟だからな、多分大丈夫だろ……。問題は琥珀さんだ。彼女の本質を俺はまだ知らない……。妙な寒気がゾクッと走った。

琥珀「はい!シオンさん終了〜♪」

シオン「ああ!もう……邪魔さえなければ……。」

志貴「ハ、ハハ……。」

コイツら洒落にならんな……本気で交われなかった事を悔しがってるなんて………。不安が募る中、俺は次の挑戦者を指名することとなった………。

志貴「神様……いや、蒼子先生……助けて…。」

to be continue……
いや〜第十章が掲載できました!!この章ではケイスの急変振りが目に付いた事とおもいます。実はですね、彼はレイヴァンを受け入れまいたよね。それが彼の急成長の一番の理由なんです。そうですね……この事は12章(未掲載)あたりに書いてあるんです。……ですのでどうぞお楽しみに!!
ザイバック「ようし!今日は、返し斬りの練習だ。」

ケイナス「それは名案ですな。」

ケイス「ん?どうしてだい?」

ザイバック「あん?ケイス、お前はまだ訓練初めて間もないから分かんねえんだよ。」

ケイナス「拙者がお教え致しましょう。まず、返し斬りは刀を上段に構え、さっと振り下ろし、またさっと斬り上げる。どうです?簡単でしょう?」

ケイス「こ、こうかい?」

ザイバック「随分とぎこちないけど、まぁそんなもんだな。後はもっと剣筋をビシッと垂直にして、左右へのブレを無くす。そして何と言っても素早く出来るようにならなきゃな。」

ケイス「ハハ、頑張るよ。」

ケイナス「それでは、実践と参りましょうか。」

ザイバック「そうだな。習うより慣れろってな♪」

ケイス「も、もうかい?それに実践ってどうやって?」

ケイナス「そうですなぁ……お!あれに見えるはエレンブラ殿。丁度良い。今回は彼女にしましょう。」

ザイバック「お♪イイねぇ。それじゃケイス、エレンブラに実践するぞ!」

ケイス「え?!な、何を言ってるんだ?!彼女にそんな事出来るわけ……。」

ザイバック「いいからいいから、ホラ、ゆっくり後ろから近づけよ。」

ケイス「…………。」

ケイナス「そこです!ストップ!」

ケイス「え?だってまだ距離が……。」

ザイバック「いいから、今だ!!」

ケイス「くうっ!ええい!!」

ブワッ!!…

ザイバック「ほう♪今日は黒のスケスケショーツか♪」

ケイナス「いや、中々目の保養になりますな。」

エレンブラ「なに?どうしたの?ケイス……もしかして、ボクのパンツが気になったの?………んもう♪エッチなんだから!」

ケイス「………君たち……。」

友に殺意を抱いたのはその時が最初で最後だった。


END
ふぅ……何とか落ち着いてきたな。日も殆ど落ちかけてるし、ホントにこのままチャレンジを続行するのか……。

琥珀「どうしたんです?志貴さん。早く次の挑戦者を。」

志貴「え?ああ、そ、そうだね。」

次は当然アルクエイドだろ。アイツこそ夜になったら何をするか分かったもんじゃない。

志貴「それじゃ、アルクだな。」

アルク「えーーー!もっと遅く指名してよぉ。」

志貴「うるせえ!俺は大事な体を守らなきゃいけないんだよ!」

アルク「ぷーーーーっ!」

不満そうにアルクは頬を膨らませた。

琥珀「それじゃあ、アルクさんはどんなシチュエーション?」

アルク「自由演技♪」

志貴「おい、何が自由だよ。それじゃシチュエーションゲームにならないじゃ……。」

琥珀「自由ですね。それじゃスタート!!」

へ?普通に始まっちゃったよ……。本来のゲームの意味を失ってるじゃないか……。

アルク「それじゃあ、志貴、ベンチに座って。」

志貴「ん?こうか?」

アルク「そうそう!それじゃあ………んむっ。」

志貴「−−−っ!!」

アルクは俺をベンチに座らせるや否や奇襲攻撃とも言えるディープキスで先制した。一瞬、何が起きたのか把握できなかったが、アルクの顔が異様に接近している事から、間もなくして俺は状況を把握した。

志貴「プハッ……いきなりかよ?アルク、もちっと雰囲気ってモンが………!!」

アルクは有無を言わさず再びキスをしてきた。しかも舌まで入れて……。体を摺り寄せてアルクは切なそうに声を漏らすと、より強く唇を押し付けてきた。……コイツ、マジでやる気みたいだな。……クソ!負けるか……。俺は変な対抗意識を燃やしていた。アルクエイドには好き勝手やらせたくなかった。いや、俺が主導権を掌握したかった。俺はアルクの頭に手を遣ると、グッと押し付けて更に強くキスをした。

アルク「!!……んむぅ…んぐっ!!……くっ…プハァッ!!」

志貴「ハァハァ……いやぁ、苦しかった……。どうだ?アルク。俺がただやられっ放しだと思ったか?これぞ遠野流、唇返し!!」

アルク「ハァ…ハァ…中々やるじゃない。それじゃ、これはどう?」

何だろうな……対抗意識を燃やしてると、理性が保てるぞ。全然本能が、黒い欲望が湧き上がってこない。弓塚の時なんてキスで理性が飛びそうだったのに……こりゃいいや。俺が解決法を見出していると、アルクは胸を俺の顔に当てて、揺すり始めた。突然の事に動揺する俺に、更に拍車をかける様に、アルクは足を絡めて俺の体に乗っかった。甘くてイイ香りが漂ってくる。しかもアルクの体の肉感が直に伝わってきて、かなりヤバイ感じだ。

志貴「ングッ!!く、苦しい……おい、アルク!胸をどけろ!呼吸が出来ない……。」

アルク「あら、そんな事言って、本当はしゃぶり付きたいクセに。」

志貴「本当に苦しいんだよ!……このやろ!」

俺は苦し紛れにアルクの胸を鷲掴みにした。ビクッと体を仰け反らせると、アルクは恍惚とした目で俺を見てきた。

アルク「あ!……あ、はぁ……志貴……大胆。」

志貴「ハァハァハァ……死ぬかと思った。アルク!少しは人の事も考えて………!!!!」

目の前に居るアルクが徐に上着を脱ぎ始めた。ブラジャーだけになった上半身を俺に擦り付けながら、アルクは艶っぽく笑った。

志貴「ちょ、ちょっとアルク!!止めなさいって!!」

アルク「もう、ダメ……我慢できない………。」

するとアルクはスカートに手を掛けた。おいおい…何をするつもりだ?……まさか、ここで下着だけになるつもりではあるまいな…………う、うわーー!!ヤバイぞ、どうする?遠野志貴!!

志貴「おい、アルク!止めろって!!」

アルク「もう………止まらない……。」

途切れ途切れに言葉を紡ぐと、アルクはスカートを下ろした。俺に体を寄せて恍惚とした表情で荒く呼吸をするアルクは、純白の下着を着けていて、とても綺麗だった。と同時に俺の中に眠っていた欲望が渦を巻き始めた。………止めろ…治まるんだ…。

志貴「アルク……お前。」

アルク「いいよ……志貴だったら、食べていいよ。」

その瞬間、俺の理性はほぼ消え失せた。アルクの胸を掴むと、ゆっくりと揉みしだいていった。

アルク「ああ……そ、そう……そこ気持ちいいよ……。」

まんまとアルクの罠に掛かってしまった。これで俺もゲームオーバーか………。そう思って俺はアルクのブラジャーのホックを外して、直に胸を揉んでいった。ビクンと大きく体を痙攣させると、アルクは切なそうに声を上げて善がりだした。

アルク「はぁ……イイ……イイよ……。」

俺はもう最後までヤルつもりだった。胸を片手で揉みながら、残った片方の手で、アルクの秘所へと手を這わせていったその時、

???「だめーーーーーーーー!!!!」

ズガンっ!!鈍い音を立ててアルクが吹っ飛んだ。え?!な、何だ??何が起きたんだ?!俺は慌てて体裁を整えると、ベンチの近くで泣きべそをかいている女の子を見つけた。

志貴「み、都古ちゃん!!どうしたの?こんなところに。」

都古「えぐ…ひっく……お兄ちゃんが、えぐ…襲われてたから。」

あ!なるほど、アルクと俺の光景を見て、俺が襲われてると思ったんだ。にしても、こんなに泣きべそまでかいて…よっぽど俺を心配してくれてんだ。俺の中にあった欲望は、都古ちゃんの顔をみていたら消えていた。こんなに心配してくれる妹がいるんだ。
欲望だけで突っ走っちゃだめだな。

志貴「都古ちゃん、ありがとう。俺は大丈夫だから。」

都古「ほんとう?」

志貴「ああ、都古ちゃんが来てくれたからね。」

都古「えへっ♪良かったぁ。」

都古ちゃんの純真無垢な笑顔に思わずドキッとした。そうだよな。俺ってばこんな不純なゲームに手を染めちゃって…。自己嫌悪が沸々と湧き上がってきた。そうだ、こんなゲームさっさと終らせよう。絶対欲情するもんか。都古ちゃんの笑顔を思い出せば大丈夫だ。

ネロ「おーーい!都古、このような所に来ておったか。さ、行くぞ。」

志貴「ネロ?!何でまた来たんだよ?それに、都古ちゃんをどこに連れて行くんだ?」

ネロ「先も述べたとおり、老人の集いし場所に行くのだ。都古はあくまで偶像的肖像(マスコットキャラクター)として活躍してもらうのだ。」

志貴「は、はぁ……。」

都古「そういうわけだから、じゃあね!お兄ちゃん。」

志貴「あ?ああ、さよなら!都古ちゃん。」

ネロに連れられて風の様に都古ちゃんは去っていった。一体何だったんだろう……おっと!そう言えばアルクは?!都古ちゃんのコンボをまともに受けて吹っ飛んだからなぁ……しかもパンツ一枚だし……。ふとアルクが吹き飛んだ方へ視線を遣ると、そこにはただ立ち尽くすアルクが居た。

志貴「おーーーい……大丈夫か?」

アルク「…………。」

異様な殺気に思わず身動ぎしてしまった。

アルク「……あのガキーーーーー!!!!殺してやるーー!!」

志貴「待て待てって!!都古ちゃんは俺を心配してくれただけだよ!!お前に恨みがあるとかそんなんじゃないって!!」

俺は必死にアルクを羽交い絞めにして止めた。

琥珀「はい!それじゃあそこまでですね。」

アルク「ぷーーーーーっ!!折角、志貴がパンツの中に手を入れてこようとしてたのにぃーーー!!」

志貴「ば、バカ!!そんな事言うなよ!!」

こうして、何とか切り抜けた俺であった。

続く。

この頃

2004年8月28日 日常
最近、BSで深夜などに「今日からマ王」というアニメが一日三話ずつほど再放送されております。

私、草薙も偶々、新聞のテレビ覧で見つけて、実際見てみた所、面白くてハマってしまいました……。

深夜にあっていますが、れっきとしたファンタジーもので全くアダルトではありません。

毎日、深夜を楽しみにしておるのです。

ちなみに私は「今日からマ王」の中では、グウェンダルとギュンターが好きですね。

特にギュンターがイイですね〜。紫色の長髪に美しい顔立ちの男で、マ王である主人公「渋谷 有利」に惚れているんですよ。何でもマ王の居るべき場所「真魔国」では男性が男性を好きになっても問題無いそうで……。

真面目なんですが、有利の事になると恋する乙女のようにもう心配ばっかりしてるんです。

あるお話の中で、有利が海で濡れた服をギュンターに預けた時、その服の匂いを嗅いで、「ああ〜これが若者の香り♪」と磯臭い服を愛おしそうに持っていたんですよ。王女が自分にも陛下の匂いを嗅がせてと迫っても、「これはワタクシが陛下からお預かりしたんです。」と言って放そうとしないんですから(笑)彼の一途な思いにはホント感動ですよ。

あ!そうそう、有利の婚約者にヴォルフラムって美形がいるんですけど、それも男です。しかも寝巻きがピンクのネグリジェだった……。幾ら美形だからって……まぁ、似合ってましたが…。
剣の腕が立って、有利の周りに集まる男には必ず敵対心むき出しですね。有利が優しくした馬にすら嫉妬したんですから。

ちなみに有利をそんなにも愛しているヴォルフラムですが、彼は有利の事を「へなちょこ」とよく言います。

大募集!!

2004年8月28日 日常
どうも!!草薙です。この度、現在連載中の小説、「狼狽」のキャラクターデザインを募集したいと思います!私も、イラストの方もやっておりますが、皆様方のデザインを是非、拝見したく思い、この場を借りて募集する次第です。

送りたい!!言う人は、詳しい送り方が秘密日記に載っておりますので、相互リンクを張った上で、ご覧ください。

お手数かけます…。

早いもので

2004年8月26日 日常
早いモンで、狼狽も第九章を無事掲載できました!エレンブラとケイナスという個性溢れる新キャラ二人を追加して、ケイスの屋敷も結構活気付いてきました♪

ここではちょっと新キャラについて補足をしときます。

まず、【エレンブラ】ですが、彼女は幼少期にケイスやザイバックと共に遊んだ仲で、ケイスやザイバックが王宮の仕官学校に通い始めた頃に、エレンブラの父親であるその当時の政務卿が失態を犯して辺境に左遷された事で離れ離れになってしまうんです。

士官学校に通う前のケイスに、許婚になると約束をしたんですが、その当時、エレンブラは髪も短髪で、化粧なんかもしているはずがなく、喋り方も男口調だったので、ケイスやザイバックは男友達だと思っていたんですね。

そしたら、10年振りにケイスの目の前に現れたエレンブラは立派な女性で、喋り方こそ変わってはいないものの、顔立ちも抜群に綺麗で、プロポーションも良くなっていて、ケイスも始めかつての親友だとは気付きませんでした(笑)もちろんザイバックも。

彼女が10年振りに何故姿を現したかと言えば、理由の一番は、幼少期に約束を交わした許婚の誓いを実行する為です。彼女はずーっとケイスが好きなんですよ。一途ですね。

もう一つの理由は、ケイスが辺境に来たということですね。エレンブラが住んでいる所はカルナムールから200km程離れた山間美しい街【エルテルード】で、出向くには丁度良かったんです。距離的に……。

性格は明るくて芯が強い女性で、例えザイバックであろうと、ケイスを困らせる者には容赦なく制裁を下すんです。ホントに補足ですが、彼女はケイスの子供を三人ほど生みたいという願望があります。

次に【ケイナス】ですが、彼は王都から4000km離れた、辺境よりも離れている為【大辺境】と呼ばれる【トウコク】と言う、刀を主な収入源とする独自の文化が築かれた街の出身です。

彼の礼儀正しいというか、堅い喋り方はトウコクの方言みたいなもんです。トウコクは、本編でも説明があったとは思いますが、世界で最も切れ味の鋭い【刀】を鋳造する唯一の街で、刀を扱う剣士が多い事で有名です。【ガンテス】という伝説の刀鍛冶もいて、義を何よりも重んずる傾向にあります。

ケイナスは、自分の腕を試す為に遥々カルナムールまで遣って来たんですが、お金をあまり持っていなかった為、空腹に喘ぎ、道端に倒れていたところを、丁度パーティーのドレスを買いに来ていたエレンブラとシャルの目に留まり、一命を取り留めたんです。トウコクでは命を救われた者には命を掛けて従えという決まりがあり、ケイナスはその決まりを忠実に守って、命を救ってくれたエレンブラとシャルに命を賭して守る事を心ひそかに誓って、ついて来たんです。

ちなみに彼は刀を自在に操る事が出来、その腕前も超一流らしいです。年齢は27歳とケイス達よりも上なんですが、敬語で話すのは、まぁ、出身地方の影響ですね。

とまあ、こんなとこです。ちなみに、エレンブラとシャルがケイナスと出逢う買い物珍道中は外伝として掲載しますんで、ご心配なく!! それではまた!
琥珀さんが屋敷から戻ってきた時には日は既に傾き始めてた。
このまま夜の帳が下りて来ても、まだチャレンジは続くんだろうか?夜にあんな事をされれば俺は、遠野志貴は………。

琥珀「大分、日が傾いて来ましたね。これからが本番ですね♪」

はぁ……やっぱり……。中止の二文字は全く無いようだな。

琥珀「それじゃあ、志貴さん、次の挑戦者を……。」

夜が深くなればなるほどアルクやシエル先輩は指名出来かねる。まずは二人を済ませておく必要があるな。

志貴「それじゃあ……シエル先輩で。」

シエル「あら、もう少し遅い時間帯だったら遠野くんと色々出来たのに……。」

先輩の顔に残念そうな色が浮かんだが、俺はその“色々”をさせない為に今を選んだんだ。

琥珀「それじゃ、シエルさんはどんなシチュエーションで?」

シエル「囚われた私が、遠野くんに救ってもらう、です。」

志貴「へ?」

何だ?もっと凄いシチュエーションかと思ったけど、意外にも恋愛に発展する王道を突いて来たなぁ。これなら理性の方は問題ないだろ……。

シエル「それじゃあ……えい!」

ビリビリビリっ!!……シエル先輩の服が見るも無残に裂けてしまっている。というより自分で裂いてる……。

志貴「ちょ、ちょっと先輩!何してるんだよ!?」

シエル「あら?だって私は無理矢理に捉えられた身ですよ?暴漢達に身包みを破られて両手を縛られているんです。」

いるんです。って言われても………先輩の胸元は大きくはだけて、スカートも太ももまで見えるほど短くなっている。琥珀さんに何やら耳打ちをすると、先輩は両腕を背中のほうにクロスした。呆気に取られて見ていると、琥珀さんがそのクロスした腕に手枷をはめた。先輩は手が使えない状態で、座り込んだ。

シエル「準備いいですよ。」

琥珀「よ〜い!スタート!」

シエル「ああ、誰か助けに来ないでしょうか……。」

何だか随分芝居染みてるなぁ……ま、この様子なら大事にはならないだろう……付き合ってやるとしよう。

志貴「今、助けに参りましたぞ!!シエル姫!!」

秋葉「全く……三文芝居もいいトコよ…。」

シエル「ああ!その声は志貴王子!!ここです!私はここです!」

俺はすぐ近くにいる先輩にゆっくりと手探りをする様な仕草で近づいた。ま、こんなもんで雰囲気は十分だろ……。

志貴「おお!シエル姫!どうなされました?その格好は……。」

シエル「暴漢共に襲われて…うぅ…身包みを……。」

志貴「皆までは言わなくともいいです……もう、心配要りません……。」

俺は牢屋の扉に掛かった鍵を剣で斬る真似をして、シエル先輩に近寄った。

シエル「ああ、王子……。」

不意に先輩の目に潤みが見えたかと思うと、先輩の顔は上気し、熱っぽく俺を見つめると、体を預けてきた。

志貴「ひ、姫…!!?」

シエル「何ででしょう?……王子の顔を見たら……あぁ…体が……熱くなって……。」

先輩の甘い声と香りがフワッと漂ってきて俺を刺激する。太ももを晒した足を俺の太ももに摺り寄せて、胸を俺のお腹に当てて、腕が使えない為か、モゾモゾと体を捩って俺に切なそうに視線を送ってくる………ヤバイ…どこが夜遅くないと出来ないだよ……。今の状態でも俺の理性は飛びそうなのに……。

シエル「王子……んむぅ……んふっ……んん。」

志貴「!!」

体をグッと起こした先輩の唇が俺の唇と重なった。しかも、先輩は舌を入れてくると、切なそうに甘く声を出した。ホントにどうなっても知らないぞ……。俺だって聖人君子じゃ無いんだ…。女性にこんな事されたら我慢も何も………。

シエル「ん……ぷはっ……ふぁ……。」

息が続かなかったのか、先輩は苦しそうに口付けを止めた。

志貴「ひ、姫……さ、早くここを出ましょう。」

俺は何とか理性を保とうと演技に集中した。が、シエル先輩の顔にはただ熱っぽさが見えるだけで、演技なんかとうに忘れてるみたいだ……。

シエル「ん〜……胸が切ないんです……王子……私の…胸を……。」

シエル先輩は艶っぽく笑うと、うろたえていた俺の手に胸を当ててきた。プニプニと柔らかい感触が俺の手に伝わってくる。………うわ〜柔らかくて気持ちが良いなぁ……ってイカンイカン!!半分消えかけた理性を必死に引っ張り戻すと、俺はある異変に気が付いた……ヤバイ……俺のジュニアが……。

シエル「!!……ああ……王子が私に反応してくれているんですね……嬉しい。」

嬉しいって先輩………。これはやばいぞ……これは幾らなんでも秋葉が見逃すハズ無いよな……。俺は期待を込めて秋葉を見ると、案の定髪の毛が紅く染まっている。……よし!…これなら秋葉が止めてくれる……。そう思ったのも束の間、秋葉の表情を見ると顔を上気させて、艶っぽく目の前に起こっている男女の危険な場面を見つめて固まっている。

秋葉「ああ………な、なんてことを……これが、兄さんを取り巻く女の実力なの……?」

何ワケの分からない事を言ってるんだよ?!兄さんが先輩と契りを結んでもいいのかぁ〜!!……なんて心の中で叫んでも無意味だよな。俺はもう半分諦めかけていた。と、その時、ジュニアに快感がザワッと走った。視線を落とすと、先輩がズボン越しに元気になっている俺のジュニアを擦っている………ああ……。

志貴「ちょっと、姫様!!止めてください!!」

シエル「いいじゃないですかぁ……王子と私は結ばれる運命なんですから………。」

そう言うとシエル先輩は俺のズボンのチャックに手を掛け、ジーーッとチャックを下げた。もういいや……このまま、先輩と……。諦めて身を委ねようとした瞬間、

ネロ「…………何を、しているのだ?」

志貴「うわぁーーーーーー!!!」

シエル「!!……ネロ・カオス??!!」

ネロが健康ランドから戻って来たらしい。思わず俺も先輩も体を起こして互いに距離を取った。助かったぁ……まさかコイツに借りを作るとは……いや、ここは素直に感謝すべきだ。

ネロ「お前達、まさかこの様な場所でまぐわ…ムグっ!!」

志貴「い、いやぁ…何の事かな?ハハ、ハハハハ。」

俺は咄嗟にネロの口を押さえて言葉を紡がせるのを止めた。みんなの前で“まぐわう”なんて言われたら、俺は恥ずかしさで死んじまいそうだったからだ。……どうやら先輩も落ち着いたようだ。これで、チャレンジ終了か……。

琥珀「はい!ここまで!シエルさんのチャレンジは終了です♪」

シエル「後一歩で、遠野くんと………。」

その言葉に思わず俺はドキっとしてしまった。確かにネロが来なけりゃ俺と先輩は今頃……ブンブンと頭を振って俺はあらぬ妄想を飛ばした。

ネロ「己!人間!何をするのだ?我を窒息で倒そうという気か?」

志貴「い、いやなんでもない……。」

ネロ「フン、それでは我は失礼するぞ……。何分、忙しい故な。」

志貴「今度は何だ?」

ネロ「この国の老人の集いし場所にて、我が従えし666の獣を拝見したいと申す者がおるんでな。」

志貴「老人ホームで動物ショーってことか。」

ネロ「貴様達の言葉ではそう言う事になる。」

ネロは手をヒラヒラと振りながら去っていった。はぁ、一難さってまた一難か……。シエル先輩は何とかなったが、後はどうなるんだ?ネロも流石にまた現れたりはしないだろうし……。

琥珀「それじゃ、また新たな挑戦者をどうぞ!」

志貴「………もう、いや。」

To be continue……

瀕死のみこと

2004年8月25日 日常
あ〜、頭が痛い〜……。昨日から風邪にうなされておりますが、何とか書き進めているわけです……。

う〜……俺とした事がぁ……。
……私が男だと勘違いしていた友人、もとい現在の許婚であるエレンブラが無理矢理な同棲をしてから三日が過ぎた。シャルは私達に気を使っているのか、どこかギクシャクしていた。同棲とは言っても、一応ベッドは別にしている。エレンブラはその事が不満らしいが、私にはまだ心の準備というものが……。だから私は必ずエレンブラよりも遅く就寝していた。もし、私が先に眠りに着いたが最後、翌朝、ベッドの中であられも無い姿を晒して甘美な寝息を立てているエレンブラが容易に想像できたからだ。と、そろそろ起床しないと……。時計を見れば時刻は既に早朝六時を過ぎていた。

「ふあぁ〜……さて、今日も一日頑張らないと………。」

「ん、んうぅん〜………。」

ん?今かなり近くで甘い声が聞こえた様な……それに、さっきからベッドがモゾモゾ動いてる気がするんだが……。私は恐る恐る隣で蠢いている塊に覆い被さっている布団を剥いだ。

「!!!!」

思わず硬直してしまった。……咽から叫びが飛び出しそうになったが、今叫んだらシャルまで起こす事になる。私は必死に心を落ち着かせようと深呼吸を繰り返した。

「ん、ん〜ケイス……駄目、駄目だよぉ…そんなトコ触っちゃ駄目だよ……ボクにだって…むにゃ……心の準備がぁ…。」

一体どんな夢を見てるんだ……。頬を上気させて甘い声を出しながら、エレンブラは透き通る様な白い肌が眩しい肢体をくねらせた。それにしても、何て格好で寝てるんだ……下着じゃないか……。幾ら許婚だからって、こんな格好で寝られちゃ男としては生殺しだ……。私は何とか理性を保つべく、エレンブラを起こして自分のベッドに移ることを促す事にした。

「おい、エレンブラ。起きろ、起きてくれ。自分のベッドに移ってくれないか?」

「ん、ん〜……そんなにボクの胸を見ないでよぉ…恥ずかしいよ……。でも、ケイスだったらイイよ……。」

プニ……ん?何だろう、とても柔らかいモノが手に触れてるな……。私はふと視線を手の方へと遣った。

「!!!!!」

私の手は、エレンブラの胸にしっかりと置かれていた。しかも、エレンブラは私の手を掴み、グリグリと胸に押し付けてくる。

「や、やめろって……エレンブラ!」

「あ…ああ……どう?柔らかいでしょ?」

いかん!このままだと………私は必死に手を胸から退けると、ベッドから飛び起き、手早く身支度を整えると、執務室に逃げ込んだ。

「ハァハァ……何なんだよ、一体……。」

一人で気持ちを落ち着かせていると、再び眠気が襲ってきた。ガクッと頭が落ちそうになったその時、バタンッ!!けたたましい音を立てて扉が開いた。私はビクッと跳ね起きると慌てて寝惚け眼をこすった。

「よぉ!只今、帰ったぜ!!」

ザイバックが王都から戻ってきたらしい。にしてもこんな早朝から随分と元気な事だ……。

「ザイバック……元気だな…。」

「おう!それだけが取り柄だぜ♪」

屈託なく言うとガハハと豪快にザイバックは笑った。

「で、どうだった?」

「あ?ああ、報告か……なぁに、バッチシよ!国王曰く、更なる進展を期待しているぞ。だってよ!」

「そうか……。」

私はホッと胸を撫で下ろした。これで、とりあえずは誤魔化せたワケだ。

「次の報告は?」

「えーっと……一ヶ月後だ!」

一ヶ月後……それまでにシャルが異世界から来た人間だという確固たる証拠を集めないと……。それに【静寂の巫女】の事も、【レイヴァン】の事も……知識にはあるものの、他人に信用させるまでには至っていない。何とか決定的な証拠を見つけないと………。そうだ、ザイバックが報告に行ってから起きた事を言わなければ……。私が人を殺めたと聞いたら、どんな顔をするんだろうか?……自嘲気味に笑うと、私はザイバック不在の間の出来事を洗いざらい話した。

「ふ〜ん……つまり、お前にゃもう一人、人間が潜んでるんだな?」

「そう、しかも…人間と化け物のハーフだ。」

「そして異世界の人間には、俺達の世界の人間を下等動物だと思ってる連中もいると……。」

「そう、私が実際に下等動物扱いされてる……。」

「で、お前はそれが悔しかった。エルバートって奴に少なからず憎しみを抱いた。そしたら、レイヴァンが覚醒して、後はエルバートを塵にしちまった……。」

「そうなんだ……奴の言う事によれば、私がシャルを庇ったり、身元引き受けを願い出たのも、レイヴァンの意思みたいなんだ。」

「シャルは【静寂の巫女】っていうギエルハイムにゃ無くてはならない存在で、レイヴァンはシャルを化け物から守る戦士。」

「そして、シャルが何故この世界に遣って来たか、それは閉じてしまったゲートを開く為。ゲートによってもたらされていた幸福の力……それは争いの少ないアウヴァニアだからこそ存在する力で、化け物の好む混沌の力を中和させる力を持っている。ゲートが閉じている今、幸福の力は供給されず、ギエルハイムは混沌が支配しようとしている……。シャルにも幸福の力同様の能力があるが、混沌の力が膨大な為に、制御が効かなくなった。」

「で、俺達は、それを手伝う……。」

「そういうことだ。」

暫し二人で黙り込んだ。いくらザイバックでも、これだけの話、信じるだろうか?

「……おっしゃ!!事情は大体分かったぜ!!そういうことなら、協力させてくれよ!」

変な心配は要らなかった様だ……。ま、ザイバックらしいか……。あれから一時間は話していたらしく、外には朝日が昇っていた。私とザイバックはグーッと背伸びをして誓いの握手を交わした。

「…すまないな。私の勝手な行動に付き合せてしまって。」

「イイって!気にすんなよ!俺とケイスの仲じゃねえか。今更一人で全部を背負い込もうなんて、言いっこなしだぜ!」

「分かった……。」

ザイバックの言葉に不覚にも感動してしまった。私はジンとする胸を冷ますために水を飲もうと執務室を出ようとした。が、その時

「ん〜朝から騒がしい声がするなぁ……ケイスなの?」

「!!!!エレンブラ!!」

そうだ!忘れてた!そもそも私は彼女から逃げてきたんじゃないか。しかも寝惚けてる所為か、その格好は下着姿のままだった。
何やら気配を後ろに感じ、振り返ると、ザイバックがニヤついていた。

「ほ〜、ケイス……お前も結構やり手だな♪あんな可愛い子をモノにするなんてよ!」

野卑な笑い声を上げると、私の肩をバンバンと叩いてエレンブラを凝視していた。

「へぇ〜……可愛い上に艶かしい……ナイスバディーだし……こんな子、辺境に居たっけか?」

「そ、それが……彼女、エレンブラ、なんだ。」

「へぇ〜…エレンブラねぇ……ってなにぃーーーー!!!!」

ザイバックと私は幼少期よりの腐れ縁で、当然エレンブラとも遊んだ仲なのだ。ザイバックの顔には普段の豪快さは消え失せ、まるで怯える子供の様にうろたえている。

「だって、アイツは…男だろ?」

「それが、私達の勘違いだったらしいんだ。彼女は昔から男っぽく育てられてたらしい……だからだよ。」

何やら納得したように手をポンと叩くと、ザイバックは懐かしそうにエレンブラを眺めた。

「へぇー、エレンブラ、随分と見ない間にこんなセクシーになりやがって……。」

「ま、まぁ10年以上も会ってなかったからね。」

「あれ?ザイバック?……うわーー!久し振りだね♪」

「お?おお、しっかし、お前、なんちゅう格好してんだよ!」

「ふぇ?………!!いっ。」

「いっ?!」

うう……こう大胆な事をされちゃ思春期の遠野 志貴の理性は保てないな……。一人愚痴っては次の挑戦者を選んでいる俺がいる。

志貴「そ、そうだな………。」

今琥珀さんやアルクエイド、シエル先輩やシオンはマズイな。この四人は間違いなく俺と………。必死にあらぬ妄想を振り払い、気分を落ち着けるためにもレンを選ぶ事にした。

志貴「それじゃぁ……レン!」

レン「………!」

レンはピクッと体を強張らせた。が、その表情は嬉しそうに綻んでいた。

志貴「おいで、レン。」

レンを呼ぶと、レンはタタタッと軽快に駆けて来て、俺の膝にヒョイと飛び乗った。ポフっという軽い感触が俺の太ももに伝わった。

弓塚「ああ〜、イイなぁ……。」

俺はレンの脇の下から手を回して、レンを抱き寄せた。何ていうんだろう……レンはぬいぐるみみたいで凄く癒される。

志貴「レンは、俺をドキドキさせるのかな?」

レン「…!!」

レンはフルフルと首を横に振って、その蒼くて綺麗な長髪をサラサラと揺らした。その仕草がまたたまらなく可愛らしい。俺はレンを抱いている手にキュッと力を入れてレンの暖かさに和んでいた。

志貴「そっか、レンは俺と一緒に居たかっただけなんだね?」

レン「…………コクリ」

恥ずかしそうに頷くレンは何て言うか、目に入れても痛くない程可愛らしかった。

アルク「あんなに優しい志貴、見たこと無いなあ……。」

物欲しそうに指を加えてその光景を見ているアルクエイド…・・・。アイツがあんな顔してるの見た事なかったなぁ……若干のしてやったり感に充足しながら、俺はレンの頭を撫でた。

志貴「レン…今度、ケーキを一緒に食べようか?」

レン「………コクリ」

嬉しそうに微笑んだレンを見て、俺はとても満足した。何だか自分に娘が出来たみたいで、ドキドキというよりも、守ってやりたいって気持ちのほうが強かった。レンは暫く俺を見ていたが、途中で首がカクッと落ちた。

志貴「レン?………ハハ、寝ちゃったんだな。」

レン「スースー……。」

可愛い寝息を立ててレンは眠ってしまった。とても可愛い奴だ。
俺はレンをベンチに寝かすと大きく背伸びをした。

琥珀「あらら、ウフフ♪レンちゃんったら眠くなったのね?」

琥珀さんはレンを抱きかかえると、

琥珀「それじゃちょっと私はレンちゃんをお屋敷まで連れて行きますので、暫く自由にしていて下さい。」

と言って、スタスタとレンを屋敷に連れて行った。ん〜やっぱり琥珀さんは母親の様に暖かいなぁ……レンも俺の心を癒してくれたし♪……。一人で充実感に浸っていると、残った女性陣は俺が居るのもお構い無しに何やら話し込んでいた。

シエル「随分と遠野君の表情が綻んでいました。」

アルク「レンは小さくって、プニプニしてて可愛いもんねぇ。志貴って意外とロリコンなのかも?」

弓塚「そ、そんな事無いですよ。きっとレンちゃんの事が妹みたく思えたんですよ……。」

翡翠「………。」

秋葉「それじゃ私はどうなるんですか?私は正式な妹なのに、あんな事された覚えがありませんけど。」

アルク「だって、秋葉はもう立派な女性じゃない。それとも、あんな事、されたいの?膝の上に乗って、後ろから抱きかかえられて……ってそれもイイかもね♪」

秋葉「あなたなんかには兄は渡しませんよ!」

シエル「こうなったら……女の魅力全開で挑むしかなさそうですね。」

シオン「志貴の体に最初に抱かれるのは私です。」

志貴「お、おーい……ムチャクチャな事を言うなよ。」

レンに癒されたのも束の間だった。残った女性陣は確実に俺に抱かれるつもりでいる……。穴があったら是非!!入りたいよ……嘆いても仕方の無い事だが、理性を留めるためには嘆かずにはいられなかった。……この状況を嬉しいと思ったが最後、俺は大変な事をしそうだ。せめて今の会話やこれからの状況に嫌気を持たせることで、理性を保っていた。……果たして俺は一体どうなるのだろうか…………。

To be continue……
志貴「さてと………。」

次の挑戦者だが、今アルクやシエル先輩を指名すれば過ちを犯しそうだから……そうだ、弓塚がイイな。同じクラスメイトであるにも関わらずあまり喋っていない様な気がするし、同級生の素顔を知るいい機会だ。そう勝手に解釈を入れて俺は弓塚を指名した。

志貴「それじゃ……弓塚、イイかな?」

弓塚「え!?わ、私?……ヤダ、どうしよ……もうドキドキしてきた。」

なんていうか。こう……弓塚は見た目で言えば可愛い。性格も俺が知る限りでは優しくて愛嬌があって、俺自身、身近にこんな子がいるのに会話をあまり交わしていないのが不思議なくらいだ。

琥珀「じゃあ、さっちんはどんなシチュエーション?」

志貴「さ、さっちん?」

琥珀「あら?弓塚 さつきだからさっちんですよ♪」

さも当たり前と言った風に琥珀さんが笑顔を向けた。ま、いいか……。

弓塚「えっと……遠野くんが眠くなって、私に膝枕をさせて……私が寝かしつけるっていう……。」

志貴「い!?膝枕??俺が、弓塚に膝枕をしてもらうの??」

弓塚「う、うん……迷惑……かな?」

弓塚の寂しそうな表情を見ると咽まで出掛かった「無理だよ」はスッと消えてしまった。そうだ。彼女だって死ぬほど恥ずかしいんじゃないか。それを俺が今更恥ずかしがってどうする!志貴!
俺は自分に意味不明な納得を促すと、イソイソとベンチに再び座った。

琥珀「それじゃ☆すたーと♪」

志貴「な、なぁ、今日は疲れたね。久々に休日に運動したもんだから、クタクタだよ。」

何とか自然体を取り繕うが、やっぱり胸のドキドキは全く治まらない。それどころか、これから弓塚の膝に頭を持っていくかと思うと、心臓は爆発しそうなくらい暴れ回っていた。

弓塚「そ、そうだね……あ、あのさ、遠野くんって……膝枕……好き?」

志貴「好きかって聞かれても……された事…な、ないしさ。」

俺も弓塚も傍から見て分かるほど動揺していた。俺も体が熱くなってるのが分かる。弓塚に視線を遣れば頬を上気させてモジモジしている。……ん?そう言えば……弓塚って制服じゃないか!スカートはお世辞にも長いとは言えない……つまり……生足が………。

弓塚「ね、ねえ……そんなに疲れたのなら……わ、私が膝枕してあげる……。」

志貴「!!!」

ドクンッ・ドクンッ……心臓の拍動が激しさを増した。くそ…生足の事さえ気付かなければもっと自然体だったろうに……少し自分の下心に毒づいて平静を取り戻そうとしたが、健闘虚しく余計に生足を意識させる結果となった。

志貴「じゃ、じゃあ……好意に甘えて……。」

弓塚「あ……。」

弓塚の露になっている柔らかい太ももに頭を乗せる……。甘い香りがふわっと鼻腔をくすぐった。弓塚の顔に視線をやれば、恥ずかしそうに、だがどこか恍惚な表情で俺に微笑みかけている。……可愛い。そんな事を思っていると、弓塚の手が俺の髪を触った。柔らかくて暖かい弓塚の体温を頭に感じながら俺は正直、理性を失っても構わない所まで本能が支配し始めていた。

志貴「弓塚って甘くてイイ香りがするんだな。でも、ホントに良いのか?……その、……スカートの中が見えちゃうんじゃないか?」

本能が命令するままに俺は少しイジワルな質問を弓塚に投げた。

弓塚「あ………い、いいよ……遠野くんになら……みせてもいいよ………。」

ゴク……思わず生唾を飲み込んでしまった。てことは……俺が望めば弓塚はスカートを捲ってくれるっていうのか?………。俺は完全に理性を失い掛けていた。

志貴「…………弓塚、俺の胸を触ってみて……。」

俺は突き動かされる黒い炎を掻き消すように弓塚の手を握り、胸に当てた。

弓塚「!……遠野くん……すごい……ドキドキが……すごいよ。」

フッと艶っぽく弓塚は笑うと突然に俺に覆いかぶさった。

志貴「−−−−−−−−っ!!」

唇と唇が触れ合った、いや、確実に重なった。鼻に甘い香りが、口には甘酸っぱい味が………。ヤバイ、今度こそ本当にヤバイ!!このまま弓塚を抱き寄せれば……駄目だ志貴!!皆見てる。必死に理性を保とうと皆の方に視線を遣ると、

琥珀「あぁ………すごい……。」

翡翠「大胆………。」

アルク「うわ〜志貴、理性保てるかな?」

シエル「まさかここまで彼女がレベルが高いとは…。」

レン「…………。」

秋葉「そんな……なんてイヤラシイ……。」

何だかんだ言ってるけど、一概にしてこの状況に興味津々である。秋葉なら怒って止めるかと思いきや、顔を上気させて見入っている……。誰か止めないとホントに………。

弓塚「遠野くん……んふぅ……ん…。」

弓塚は更に口を深く付けると、舌を入れてきた。

志貴「−−−!!」

思わず体が強張ってしまったが、舌の絡み合う心地良さに力が抜けていった。ほんとにヤバイ……もう、抱きたくて仕方ない。このまま見られてもイイ。最後まで………。そう思い黒い欲望に身を委ねようとしたその時、ある声に理性を取り戻した。

シオン「こんなところで、志貴は何をやっているんですか?」

志貴&弓塚「うわーーー!!」

そう、声の主はシオンだった。かなり焦ったけど、まぁ、助かった……。多分シオンが来てくれなかったら、俺は弓塚と結ばれてた……。そう思うとシオンが女神に見えて来た。思わずシオンの手を握ると俺は感謝していた。

志貴「シオン!よく来てくれた!!」

シオン「??…な、何の事を言ってるんですか?志貴…落ち着いてください。」

琥珀「ああ〜ん☆もう少しで志貴さんのとんでもない姿を拝見出来たのにぃ……。」

琥珀さんの心底残念そうな顔……あの人は最後までヤラせるつもりだったらしい……。

アルク「まぁまぁ……じゃこれでさっちんもお終いね♪」

弓塚「ハァハァ……緊張したぁ……でも、進展があって嬉しかったぁ……。」

ちょっと嬉しい言葉を弓塚の口から聞いた。が、それは直ぐに掻き消された。

琥珀「そうだ!シオンさん!ちょっとコッチへ……ゴニョゴニョ……。」

志貴「何か嫌な予感が……。」

シオン「えーーー!!?そんなハレンチな事を…ですか?……分かりました……志貴が懸かっているなら……。」

志貴「あの……琥珀さん?」

琥珀「それじゃ♪シオンさんも加えて、次の挑戦者をお願いします☆志貴さん!」

………二人目にしてかなり理性を失いかけてしまった。アルクやシエル先輩の闘志は更に燃えてる事だろうし……俺、本当に誰かと………そんな事を悶々と考えながらも俺は次の挑戦者を選ぶことにした………。

To be continue……
俺は遠野 志貴。さっきまで家族や友人?と野球をしていたんだけど……琥珀さんのいつもの思い付きによって、とんでもない事になりそうだ……ま、男としては嬉しいと素直に喜ぶべきなんだろうけど………。

琥珀「じゃあ、シチュエーションは各自の好きな状況でイイです♪」

秋葉「じゃ、じゃあ最初の挑戦者は?」
秋葉は顔を真っ赤にしてる。ハハ、何だかんだキツイ事言うけど、やっぱりそこは女の子なんだなと微笑ましく思っていると、

琥珀「志貴さん!!ボーっとしていないで挑戦者を決めてください!!」

志貴「へ?俺が!?……自己推薦じゃないの?」

琥珀「だって、皆さん手を一斉に上げるんですよ?決められないじゃないですか…。」

……ま、まぁ確かにこのメンバーを見る限りじゃ翡翠とレン、それに弓塚以外は我が強いもんな……。さて、それじゃあ控えめな人から順に指名するか……。ってホントにこんなハーレム染みた事していいのか?なんて自己嫌疑を一応は働かせるも、俺は翡翠を指名した。

翡翠「あ!……私、で……すか?」

翡翠の顔はポーっと上気して、瞳に潤みが見て取れた。

志貴「う、うん……そんなに気にするなって。ゲームなんだから。」

翡翠「は、はい。」

一応納得したらしく、翡翠の顔に若干の平静が戻った。俺としてはもう少し翡翠の上気した顔を見て居たかったんだけど……これはゲームだし、それに……俺が理性を失ったら俺はゲームでの敗北者になるんだ…。変な決意を胸に抱いてゲームは幕を上げた。

琥珀「それじゃ、翡翠ちゃんはどんなシチュエーション?」

翡翠「え、えっと……私が志貴様のズボンにお茶を零してしまって……それを拭く……シチュエーションで……。」

何?!いきなりズボン絡みのシチュエーションだって?これはマズイ……もし変なトコに触れたら……俺は必死に頭に浮かんだ妄想を掻き消すと、ベンチに座った。

琥珀「それじゃぁ……よーい、すたーと☆」

志貴「い、いやあ野球で咽が渇いたなぁ……翡翠、すまないけどお茶をお願いできるかな?」

よし!あくまで自然に振舞ってるな。この調子で行けば大丈夫そうだ。

翡翠「は、はい………どうぞ……あっ!!」

バシャァ!……冷たい……ホントに零しちゃったみたいだ。予定外のリアルな状況に俺は思わず素のリアクションを取ってしまった。

志貴「うわぁ!!ちょ、翡翠……。」

翡翠も本当に零す気は無かったらしく、かなり焦っている。

翡翠「も、申し訳ありません!!今、お拭きしますから!!」

そう言うと翡翠はポケットに入っていたタオルを取り出し、俺のズボンを拭き始めた。柔らかい手の感触や温もりがタオルとズボン越しに伝わってくる……。ヤバイ……心臓が跳ね上がった。

志貴「ちょ!翡翠!イイよ、自分で拭くから。」

翡翠「いいえ!私の過失です。拭かせてください!」

真剣な眼差しで俺を見つめると、翡翠は再び拭き始めた。その表情に平静を取り戻しつつあった俺だったが、次の瞬間、それは大きな動揺に変わった。

翡翠「あっ!!………。」

志貴「うわっ!ひ、翡翠……そこは駄目だって!!」

翡翠は一生懸命に拭き過ぎていたらしく、俺の大事なトコまで拭き始めていた。布越しとはいえ、感触が伝わってくる……翡翠も俺のリアクションで気付いたらしく顔は耳まで真っ赤にして小刻みに震えていた。

琥珀「うそ…翡翠ちゃんって大胆☆」

秋葉「ひ…翡翠…………。」

翡翠「す、すみません!!私、その、気付かなくって……。」

潤んだ瞳で顔を上気させながら上目遣いに俺を見る翡翠に俺の心臓が大きく鼓動を打ち鳴らし始めた……。うっ。ヤバイなこのままじゃ……理性が保てないかも……。

志貴「ひ、翡翠……いつまでそこに手を添えているつもりなんだ?」

翡翠「あ………。ヤダ、私……何で?……。」

翡翠の顔は炎が噴き出しそうな程赤いのに、翡翠はおれの大事なトコから手を離す気配が無い。それどころか小さく手を動かしてまだ拭いている………。

志貴「!!……ちょ、ちょっと翡翠、それ以上はヤバイって……。」

翡翠「あ…ああ……。」

翡翠の顔に恍惚の色が浮かんだ。俺のジュニアもそんなに刺激を与えられたら……。

秋葉「そこまでよ……翡翠……。」

突然、秋葉の声がした。上を見ると、秋葉が髪を紅く染め上げて立っている。

秋葉「それ以上は不純異性行為よ………。」

翡翠「あ!!……す、すいません!!」

ふぅ…秋葉のお陰で何とか理性を失わずに済んだ。というか公衆の面前でヤバイ事になりそうだった……。

琥珀「それじゃあ、翡翠ちゃんのチャレンジは終了ね♪志貴さん☆どうでした?」

志貴「どうでしたって言われても……。」

俺はみんなの前でヤバイ展開になりそうだったって言えばイイのか?いや、そんな事言ったら秋葉に殺される。アルクやシエル先輩は負けじともっと凄い事をするかもしれない……。背中に寒気を一瞬感じながらも俺は平静を装った。

志貴「あ、ああ……中々ドキドキしたよ。突然のトラブルって怖いね。ハ、ハハ……。」

苦しい感想だな。傍から見れば俺は明らかに理性を失いかけてたろうに……。

琥珀「お〜っと♪志貴さんからドキドキしたという言葉が出ました!!翡翠ちゃん、チャレンジ成功です♪」

アルク「やるわね♪志貴もまんざらじゃないって顔してたよ☆」

シエル「翡翠さんを私は侮ってました。これは頑張らないといけませんね。」

何か知らんが、燃え上がってる人が約二名。

弓塚「うわぁ…大胆だなぁ……私も、遠野くんをドキドキさせられるかな……。」

レン「…………コクリ」

静かに闘志を燃やす人がまた二名。

秋葉「わ、私は実の兄をドキドキさせなきゃならないなんて………兄さん……私なんかでドキドキするかしら……?」

予想外に秋葉が燃えているのに嬉しさがあったが、よく考えてみれば俺と秋葉は兄弟……。兄弟同士でさっきみたいな展開があったら、それこそ犯罪レベルだ………。

琥珀「私も翡翠ちゃんに負けないように頑張らなきゃ!!それでは、次の挑戦者を指名して下さい♪志貴さん!」

こうして、俺は新たなシチュエーションに挑戦する事になった。
嬉しいような……疲れるような……。

To be continue……
俺は剣 鉄也。幼少より戦闘訓練を受けてきた、いわば戦闘のエキスパートだ。俺に馴れ合いや笑いなんて必要ない……グレートマジンガーさえいればいい。……

チャンチャカチャ―ン♪チャンチャカチャーン♪チャンチャンチャンチャンチャン♪

甲児「お?何だ何だ?この軽快なBGMは?」

さやか「これってナデシコの皆がやってるなぜなにナデシコの時間よ。」

ジュン「そうだったわね。イネスさんとかウリバタケさん、気合入ってるものね。」

ウリバタケ「さぁーーー!!やってきたぜこの時間!!」

イネス「皆の疑問にズバリ応えるこのコーナー。」

ウリバタケ「可愛い動物の着ぐるみを来た女性クルーが可愛く質問に答えるマニアにゃたまらんこのシステム!!」

ボス「ウリバタケの奴、気合入ってるわさ!よぉうし!俺もジャンジャン質問しまくるわよ〜!!」

ウリバタケ「さぁ!!可愛い女性陣のご登場だ!!」

メグミ「はーい♪みなさん!ヨロシクね♪」

甲児「うおーーーー!!メグミちゃーーん♪」

さやか「なによ!甲児くんったら鼻の下伸ばしちゃって!!知らない!!」

ヒカル「はぁ〜い☆頑張っちゃうよぉ♪」

ボス「眼鏡のヒカルちゃんもいいわさ〜♪」

イズミ「私のダジャレに質問するのダレジャ〜………。」

ブライト「いやいや、暗い雰囲気の中にも見え隠れするお茶目さも捨てがたいな…。」

アムロ「ブライト……妻子持ちだろ……。」

ミナト「はぁい☆いい子にはサービスしちゃおうかしらん♪」

トウジ「うぉぉぉ!!やっぱセクシーな年上は最高やぁ!!」

アスカ「バカみたい……。」

ルリ「………にゃん。」

シャア「うむ、やはり萌え系のルリが抜群だな。」

アムロ「シャア……変わったよ…君は。」

ルリ「ばかばっか……。」

ユリカ「みなさーーん♪楽しんでってね♪」

アカツキ「やっぱ、艦長さんがイイよねぇ。」

アキト「……。」

アカツキ「じょ、冗談だよ!」

リョーコ「な、何でアタシがこんなもん着なきゃなんねぇんだよ。」

サブロウタ「イイぞぉ!!可愛いぜ♪リョーコ。」

リョーコ「あ、あのバカ……。」

ウリバタケ「以上!!紹介終わりーーー!!さて今からお待ちかね!質問ターーーーイム!!ジャンジャン来い!!」

甲児「おっしゃぁ!!行こうぜボス!」

ボス「おう!」

鉄也「くだらん!!付き合ってられんな……。」

ジュン「ちょ、ちょっと鉄也!!」

甲児「鉄也さん、ハードだからなぁ……。こういうの嫌いだろうぜ。」

シャア「まぁ、彼らしいと言えば彼らしいがね。」

鉄也「しかし!!俺が鉄也ではなく、サリーちゃんのパパだったとしたら!!!」

一同「!!!!!!!!!!!!!!」

ジュン「いや!こんなの鉄也じゃない!!」

鉄也「ジュン!!……(教えてくれグレート…俺は、何かを間違ったのか?)」

END
今日は快晴♪絶好の外出日和。にも関わらず遠野家の人々は家の中に篭ってばかり……。今日は琥珀ちゃんが思い切って外出の提案をしたのであった。

琥珀「あの、今日はとても良い天気ですね♪」

秋葉「そうね…。」

志貴「そうだね、琥珀さん。」

翡翠「そうね……姉さん。」

琥珀「うぅぅ……皆さんそれだけですかぁ?」

秋葉「それだけって……他に何かあるの?」

志貴「分かった。琥珀さん、こんな天気の良い日に家の中に篭ってて良いのかなって思ってるね。」

琥珀「すごいです!志貴さん。そうなんです。皆さん、ピクニックにでも行きませんか♪」

秋葉「何言ってるのよ?こんな日に外出したら紫外線を浴び過ぎて体に悪いわ。しかも汗でベトベトになっちゃうでしょ。」

志貴「ま、まぁまぁ……紫外線は日焼け止めで何とかなるし、汗ってのは出さないといけないんだから。俺は賛成だな。」

琥珀「ホントですか!じゃあ志貴さんは参加決定ですね♪」

秋葉「に、兄さんが行くとおっしゃるなら私は家長のいう事に逆らうわけには行きません……ね。」

志貴「そうかそうか♪」

翡翠「皆さんがお出掛けになるのでしたら私もお供します。」

琥珀「それじゃ、今日は遠野家総出でピクニックですね♪」

こうして、遠野家の一同はピクニックに出掛けたつもりだった………それもその筈……。

秋葉「………なんで……アナタ方も一緒なんですか!!?」

アルク「いいじゃない♪堅いこといいっこなしなし〜♪」

シエル「真祖が居るのに遠野君を放っておくわけにはいきませんから。」

弓塚「私は、そのぉ……志貴君がいるから。」

秋葉「あ〜もう!!」

志貴「ま、まぁまぁ落ち着けって……。で、琥珀さん……随分前から言おうと思ってたんだけど……ここって、野球場……だよね?」

琥珀「ええ、そうですよ♪今日は皆さんでベースボールピクニックです!」

志貴「……そんなピクニック無いよ、琥珀さん……。」

琥珀「イイから皆さん!ポジションに着いてくださいね♪まずはノックです。」

こうして、とてつもない勘違いによって遠野家一同+三人を交え
ての野球練習が始まった………。

ポジションの打ち分けは、志貴「ピッチャー」・秋葉「セカンド」・翡翠「ライト」・アルク「レフト」・弓塚「ファースト」
・シエル「サード」・琥珀「センター」

志貴「ってあれ?ノックする人は?それにキャッチャーもいないじゃないか。」

琥珀「それなら心配要りません♪いらしてください!」

ネロ「我がこの球をこの木の棒で打てばよいのだな?」

志貴「げっ!!!何で??」

ネロ「真祖の姫に我を殺した人間……埋葬機関の不死身娘。」

レン「………。」

志貴「レン??!君がキャッチャーを??」

レン「………コクリ」

琥珀「それじゃーーー、プレイボール!!」

ネロ「先ずはピッチャー、逝くぞ!!【666の獣達よ】!!」

志貴「う、うわーーーーーー!!ムチャクチャするなーー!!」

ヒュバッ!!

琥珀「んもう!志貴さん!!線を切っちゃ駄目です!!ボールが一個無駄になっちゃったじゃないですか!!」

志貴「ハァ、ハァ……んなアホな。」

ネロ「次はメイド姿の娘、【獅子よ!舞え!!】」

翡翠「………。」

ズバンっ!!

志貴「うそ……取ったよ……。」

ネロ「次!!制服姿の娘!【巨象よ!踏み荒らせ!!】」

弓塚「きゃぁーーーーー!!」

ズババンッ!!!

志貴「取った…………。」

ネロ「逝くぞ!!真祖の姫よ!!」

志貴「危ない!!アルク!」

アルク「ふん。」

ズバン……

志貴「って……アイツに心配は要らない……よな。」

ネロ「これでも喰らえ!!不死身の娘よ!!」

志貴「先輩!!」

シエル「【セブン!!】」

ズバン!!

志貴「ああ、そうでした………この人にも心配は要らないんだっけ。」

ネロ「和服の似合う娘……覚悟!!」

志貴「琥珀さん!!」

琥珀「うふふ♪」

ズバン!

志貴「薬を使って球を遅くした………。」

ネロ「最後は貴様だ!長髪の娘よ!!」

志貴「秋葉!!」

秋葉「ほんとに野蛮な人々ね……【赤主・檻髪】」

ズバン!

ネロ「中々やるな……。それでこそ鍛え甲斐があるというものだ。」

レン「…………コクリ」

ネロ「それでは我は役目を果たした故、帰る。」

志貴「帰るって……どこに?」

ネロ「健康ランド。」

志貴「あ……そう………。」

琥珀「この調子で、次は恋愛シチュエーションゲーム!!」

志貴「え???」

秋葉「な、何不純な事を言っているの?」

アルク「やったぁ♪」

シエル「あの……ネロが帰ったという事は男性は遠野君一人って事ですよね?それって……つまり……。」

琥珀「そうです!!誰が一番、志貴さんの理性を失わせるか、つまり一番ドキドキムラムラさせるかを競うんですよ♪」

アルク「ふふ〜ん♪任せてよ!志貴と私は深ぁいカンケイだもんね♪」

翡翠「あ、あの……それは私や姉さんも?」

琥珀「もっちろんよ♪女性は全員参加ですもの!」

志貴「…………。」

こうして、野球は一転して「恋愛シチュエーションゲーム」へと変更された。志貴を巡ってのムラムラバトルが今、始まる。

To be continue……。「恋愛シチュエーションゲーム」は志貴視点でお送りいたします。

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