まごうことなき

2004年8月16日 日常
一枚のイラストを描き終わるまでペン入れ・修正含めて2時間から長けりゃ3時間くらいは軽く費やすようになった今日この頃……。やはりネックは部屋の暑さ……ホンマに暑うて暑うて……。下の階はクーラーが効いててメチャメチャ過ごしやすいし……あぁ…どないしたらエエんやろか?誰か!暑さを凌ぐエエ方法知りませんか?

長い

2004年8月16日
とまぁ、随分と長いと感じたでしょうが、下記の二つが公式設定資料です。本編は追々載せていくんで、よろしゅうに♪

設定資料2

2004年8月16日 連載
【十六夜夜業】(いざよいやぎょう)
〜十六夜の剣を巡って行われる争いのことで、起こりは、安倍晴明と斉藤道三との戦いが最初で、以来1000年以上もの間続いている。殺し合いという訳ではなく、どちらかが戦闘不能になれば自然に闘いは終わる。戦い終わった後は互いが健闘を称えるなど、不思議な争いでもある。しかしそれは全てが偽りであり、本来の目的ではないらしい……十六夜夜業の本当の目的を知るものは極わずかしかいない……

【力の解放】(ちからのかいほう)
〜【十六夜の剣】の秘められた力を開放する儀式で、誄の切り札。反動でかなりの体力を消耗するため、一度の戦闘につき一回しか使えない。だが、力を解放した時の強さは通常の20倍以上にもなる上に治癒力も骨折くらいなら僅か30秒で治る程。

【五劉葬】(ごりゅうそう)
〜【劉魔】と呼ばれる悪魔を倒すために造られた五つの武器の事で、【十六夜の剣】、【七星】、【百鬼の剣】、【燈龍の強弓】、【破邪真槍】の五つである。何れも相当の修練を積まなければ扱うことは出来ない代物で、その中でも【十六夜の剣】は脅威の力を持っているために争いの火種となり【十六夜夜業】が誕生したことになる。

【十六夜の剣】(いざよいのつるぎ) 造り:黒塗り太刀拵え・乱れ刃・大業物 五劉葬
〜十六夜夜業の全ての元となる剣で、代々「神楽家」の党首が守ってきた不思議な力を持つ刀。一度手にすれば「常人離れした治癒力」「人智を越えた力」を手にするとされており、神楽の党首もその力を利用できる。だがこの刀を扱うには並大抵の修行では振り上げる事すらできない代物で、誄も6歳から11年間もの間、血の滲む様な修行を続け、ようやく自在に使えるようになった。制作者は【三代目 子鉄】と言われている。

【百鬼の剣】(ひゃっきのつるぎ) 造り:白塗り太刀拵え・直刃・大業物 五劉葬の一つ
〜【十六夜の剣】と時を同じくして造られた剣で百匹の鬼の魂を封印してある事から、【百鬼の剣】という名が付けられた。【十六夜夜業】とは直接は関係がないが、1000年以上も前に起きた最初の【十六夜夜業】で【斉藤 道三】が使用し、【安陪 晴明】と戦ったと言われている。【十六夜の剣】よりも扱いが難しく、ましてや女性には扱うことの出来ない代物だといわれていたが、叉和が女性で、しかも斉藤道三以外で初めて【百鬼の剣】の使用者となった。陰陽の力を使えば、封印してある鬼を呼び出すことも出来るが、呼び出したら制御できるとは限らない・・・

【七星】(ななつぼし) 五劉葬の一つ
〜【群雲家】に伝わるもので形としてはネックレス。厳しい修練を越えた者だけが使うことが出来、【七星】の力を増幅させる【七星の篭手】の装着で更なる力を発揮する。具体的には、あらゆる物に姿や力を変換する力で、例えば、雷になることも出来る。

【燈龍の強弓】(ひりゅうのごうきゅう) 五劉葬の一つ
〜【陸奥】の家系を組む者が代々伝えてきた弓。弦を引くまでに3年は修練が必要とされており、カナタも厳しい修練に耐え抜き今では、一流の弓使いとなっている。その貫通力は最強クラスで、分厚い鉄壁も楽々と貫通する。

【破邪真槍】(はじゃしんそう) 五劉葬の一つ
〜名前の通り、邪悪を破り、真の正義を貫く槍で使用者は不明。五劉葬の中でも一番重く、持つだけで2年もの修練を必要とする。槍を龍に変えたり、地面に突き立てる事で地割れを起こすなど荒業が多い。あの十二神将の一人が造ったとされる。

8月16日の日記

2004年8月16日 連載
十六夜草子設定資料集
                〜いざよいぞうし〜

【登場人物資料】
主人公:【神楽 誄】(かぐら るい) 年齢:17歳 性別:男
〜冷静沈着で頭脳明晰、更にはスポーツ万能の超人的な男。幼少時に両親を“事故”で失いそれからは、神楽との繋がりが深い【群雲家】で育てられるようになった。そして彼に
は秘密があった、父親である「神楽 修也」が残した剣【十六夜の剣】、そしてその剣を巡る戦い【十六夜夜業】「いざよいやぎょう」・・・彼はその戦いで狙われている者・・・・
そしてそのために幼少より厳しい修行を受けた一流の剣士でもある。ちなみに、彼の剣の流派は【天然理心流】で、若くして免許皆伝の腕前である。

ヒロイン:【群雲 鈴音】(むらくも すずね) 年齢:17歳 性別:女
〜誄が6歳から育てられた群雲家の次女で、誄の幼馴染。誄とは正反対の明るく破天荒な性格で、時々とんでもない事を言い出す事もある。彼女自身、群雲家に伝わる【七星】の力を持っており、十六夜夜業の参加者でもある。参加動機は幼い頃に失った母親との記憶を取り戻すためである。誄に仄かな恋心を抱いている。

【群雲 庵樹】(むらくも あんじゅ) 年齢:20歳 性別:女
〜群雲家の長女で、鈴音の姉。性格は静かで大人しめだがしっかりと自分の意思を持っており、意思にそぐわない事には決して手を出さない。彼女も鈴音同様【七星】の力を持ってはいるものの、体が弱いために十六夜夜業には参加していない。誄を本当の弟の様に可愛がっている。

【御堂 津羽根】(みどう つばね) 年齢:17歳 性別:女
〜誄のクラスメイトで、式神を従える力【闇暁】「あんぎょう」の使い手。誄の力をクラスメイトで唯一知っており何度か誄と手合わせをするが全て誄に負けてしまい、そのときに
誄が手を差し伸べてくれた事で誄に恋をしてしまう。恋とは無縁だと思っていただけに恋する苦しさに悩む事に・・・

【弥栄 秀彦】(やさか ひでひこ) 年齢:19歳 性別:男
〜【飛天降壇】(ひてんこうだん)という特殊な力を持つ男で十六夜夜業の参加者。性格は優しいのだが戦闘に関しては一切の妥協を認めず、情けを掛けはしない。十六夜夜業の真の目的を知る人物の一人でもある。好きなものは「豆乳プリン」で嫌いなものは「百足」。

【榊 京津】(さかき けいしん) 年齢:25歳 性別:男
〜生前の神楽 修也を知る男で【十六夜の剣】の造られた目的と【十六夜夜業】の真の意味を知る。彼自身【幻術】の使い手でまた、十六夜夜業にも参加している。知識豊富で様々な事を誄に教えてくれるがその度に戦う事に・・・趣味は【絵画を鑑賞する事】らしい。

【月詠】(つくよみ) 年齢:??? 性別:女
〜とても美しい女性で全ての鍵を握る。過去に十六夜夜業を勝ち抜き、その最後までを知っているが一切を話そうとはしない。そもそも【月詠】という名前自体、本名かどうかも定かではない。しっかりしている様でどこか抜けてて憎めない可愛らしさもある。

【夕凪 御影】(ゆうなぎ みかげ) 年齢:18歳 性別:女
〜誄の隣町の高校「月の宮女学校」に通うアイドル的な女の子で性格は優しく、学校にファンクラブまである。だが、彼女は実は十六夜夜業の参加者で、夕凪家に伝わる「観音掌」という武器の使い手であり、戦闘時には性格が一変する。彼女自身が十六夜夜業に参加する意図は、代々「観音掌」の受け継ぎには先代の使用者の魂を宿す必要があり、御影の父親も受け継ぎの際に同じく魂を宿して他界した。故にその父親を生き返らせるべく参加した。

【獅子丸】 年齢:500歳 性別:♂ 駒系上級式神
〜津羽根を幼少より世話してきた、津羽根の父親が残した式神。津羽根の両親も式神使いであり、獅子丸は元々は父親の式神であったが、津羽根が4歳の時に起きた式神の暴走を食い止めるべく、命を捧げる封印「魂の契約」を行うために父親が「異界」と「現実」を結ぶ獅子丸の「呪印」を消して獅子丸に津羽根を託した事で津羽根の式神になる。性格は堂々としていて威厳たっぷりだが、骨に目がなく骨を目の前にちらつかせられると無邪気な犬の様になってしまう。

【クリステル・ブラッドマン】(くりすてる・ぶらっどまん) 年齢:17歳 性別:女
〜5歳のころに来日したアメリカンだが、日本での生活が長い事もあり、日本語を普通にしゃべっている。性格はどこかミステリアスで謎が多く、何故か十六夜夜業の参加者でもある。それもそのはず、彼女は人の生き血を体に浴びる事で飢えを凌ぐ【クリーチャー】と呼ばれる半妖なのだから。彼女はただ、己の飢えを満たすためだけに十六夜夜業へと赴いているだけなのだ…

【安倍 愁弦】(あべのしゅうげん) 年齢:30歳 性別:男
〜彼の有名な大陰陽師【安倍晴明】の末裔で【十六夜夜業】とは深い関わりがある男。
 既に十六夜夜業からは身を引いてはいるが、誄の元に突然現れその力を試すなど、まだ
 戦いを忘れられない所もあるようだ。性格は荘厳で落ち着きがあり、自分が神主を務める神社【九十九神社】には【十六夜の剣】と相反する剣【百鬼の剣】がある。

【水無月 叉和】(みなづき さわ) 年齢:16歳 性別:女
〜【九十九神社】で巫女をしている女の子で、愁弦に力があると言われ十六夜夜業に参加する事に……性格はおっとりしていて争い事を好まず、正直、十六夜夜業には参加したくないらしい…ちなみに彼女は一度も男と付き合った事はない。【十六夜の剣】と相反する存在の【百鬼の剣】に選ばれし者である。

【劉魔 道三】(りゅうま どうさん) 年齢:1000歳以上 性別:劉魔
〜1000年以上前に安陪晴明と戦い、封印された「斉藤 道三」が邪悪な力を借りて現世に蘇った姿。人だった頃の感情は無く、ただ闘争本能と欲望のままに血を食らう悪魔と化している。再び力を手にするために、叉和の持つ【百鬼の剣】を取り戻そうとしている。どうやって封印を解いたのかは不明だがその胸には【五行解印】の呪印が刻まれている。

【陸奥 カナタ】(むつ かなた) 年齢:19歳 性別:男
〜東北の深い山間の村で育ち、【劉魔】を倒す【五劉葬】の一つ【燈龍の強弓】の使い手。また、【劉魔】の存在を知る数少ない人間でもあり、そのことを知ってもらうべく、力を持つ者達の争い【十六夜夜業】に参加し、伝えようとしている。ちなみに彼は叉和に恋をしてしまう。
【雷獣 宗吾】(らいじゅう そうご) 年齢:480歳 愁弦の式 駒系上級式神
〜安倍愁弦の式で津羽根の式である獅子丸とは因果関係がある。性格は雷獣だけあって激しく、愁弦にも暴言を吐く始末。だが叉和に怒られるとおとなしくなる。乾電池を好む。

【劉魔】(りゅうま) 
〜邪悪な怨念と憎悪が人ならざる者の姿に具現化した魔物。人の負、いわゆる心の闇を好物としており、それらを喰らい、取り込むことで更なる力と禍々しい姿を手にすることが出来る。真の十六夜夜業に深い繋がりがある。〜

【闇黄泉】(やみよみ) 年齢:???歳 性別:男
〜月詠と相反する存在として十六夜夜業で死闘を繰り広げた男。最後は月詠に力を解放され、寸での所で異界へと送られた。だが、彼は異界で人の憎悪と怨念を目の当たりにし、その力の強大さに魅かれ、劉魔を生み出す呪印を完成させ、現代世界へ送り込み、更なる憎悪と怨念を収集し、最終的にはその力を自分へ解放させ、月詠を葬ろうと目論んでいる。
どうも!草薙命です!今連載中の「狼狽」に加えて、この度新しいっちゅうか……一応小説業で既に書いてある作品なんやけど、
「十六夜草子」を連載開始したいと思てます!多分殆どが知らんやろなぁと思いますけども……御ひいきの程…宜しゅうたのんます……。先ずは手始めとして、設定資料を掲載しますんで、よろしければ見てってや!……あ!すんません…見ていってください……。

お祭りやぁ!!

2004年8月15日 日常
今日は日頃の気分転換も兼ねて、地元の夏祭りでも行こか!って感じのノリで同業者の友人二人+普通の友人一人と祭りに行って来ました!浴衣の女性やカップルがメチャメチャ多くてホンマ盛り上がってました♪花火の時は特等席で見るんやぁ!って友人と変なテンションになったまま花火を堪能しました!まぁ、一つ不満を言わせて貰うとしたら……花火の煙が凄すぎて最後の方は何が何やら分からへんわぁ!!……というワケで気分一新してこれからも邁進したいと思っとりますです。はい。

狼狽の意図

2004年8月15日 日常
何とか二章まで掲載しましたけども、あんまし話の概要が分からへん!言う人が多いと思いますんで一応簡単な説明だけしときます!先ず主人公は「ケイス」という少女との数奇的な出会いにより運命の歯車を回される事になる男で、体より頭を使うほうを得意としています!ヒロインはケイスに身柄を引き取られ、彼の運命に大きな変貌をもたらす謎の少女「シャル」で、記憶喪失により名前以外の一切の記憶を失っています。
物語のサブ主人公がケイスの親友「ザイバック」。類まれなる戦闘能力とセンスを持ち、国王に見初められて世界で最も誉れ高い
「王国騎士団」の将軍になった。ケイスの事を家族の様に慕っていて、頭を使うのはいささか苦手です。
〜一ヶ月前「ケイネラス王国」………
私は王国の政務を担当していた。連日、他国との政治の交錯に外交のゴタゴタが度重なり、私自身の疲労や心労も限界を迎えていた。
「よう!どうだ?政務って奴の仕事は?」
ザイバックが冗談交じりに言ったが、私はまともな応対が出来ない程だった。
「……駄目だな…私には荷が勝ちすぎる……。」
「おいおい、何弱気になってんだよ?お前らしくもねぇ。」
ザイバックの励ましも虚しく、私は既に机に顔を伏せたまま意識を失っていた…………。
「…い……おい……おい!」
ザイバックの声に漸く意識を取り戻した私は、王宮看護院のベッドにいた。
「………一体……私は……?」
「いやぁ、ビックリしたぜ。書類が山積みになってる机に顔を埋めて気絶してんだからよ!」
「そうか……気絶してたのか………ハハ、情けないな。」
「よっぽど政務って仕事は疲れんだな……。」
眉根をよせて感慨深くザイバックは言った。
「何言ってるんだ。君の方が大変だろう?何たって命懸けなんだからな!」
私が言うや否やザイバックはニヒヒと笑い、自信に満ちた表情で厚い胸板をドンと叩いた。
「心配無いぜ!!俺は戦闘が好きなんだよ♪なんつうか、こう、自分の力を確かめられんだよな……。」
ムフフと品の無い含み笑いが聞こえてきそうな顔でザイバックは言った。この男とは昔からの腐れ縁だが、いつまで経っても私はその感覚に頷けなかった。まぁ、私が兵士でも何でも無いからだろうが………。そんなやり取りをしていると、突然、国王の側近が大慌てで駆け込んで来た。顔は険しく、余程の大事だと暗に言っているようだった。
「どうしたんだ?何かあったのか?」
「そんな怖い顔して…分かった!国王が不倫したとかか?」
「ザイバック!!慎め……。」
「………あい……。」
「…大変です!!国王様の寝室に、侵入者が!!」
その言葉に私は自分の血の気が引いたのを感じた。ザイバックは側近が言い終るのと時を違わずして風の様に走り去った。
私も、こんな一大事に寝ているわけにもいかず、ふらつく足元を壁で支えながら必死に国王の寝室まで向かった。
「何てことだ……他国の暗殺者か?!……。」
ふと思いつく国王殺害という最悪の状況を掻き消しながら、ザイバックから遅れること20分……私は国王の寝室に、ザイバック達に取り押さえられている一人の少女を見つけた。
「おい!どうやってここに入った!?理由によっちゃガキと言えど死刑だぞ!」
ザイバックの怒号にも全く動じずにその少女は黙して語ろうとしなかった……。その時、私は自分でも無意識の内にザイバックの手を払っていた。
「……おい、どうしたんだよ?ケイス……。」
あまりに意外な私の行動に少々困惑気味なザイバックの声に我に返った。
「え!?……。」
「え!?じゃねぇよ……何で俺の手を払うんだよ?」
「……いや、それはだな……。」
自分でもよく分からないままにした事だからこれと言った理由も無い。返答に困窮していると、不意に私の背から低く落ち着きを構えた声が聞こえた。
「私の寝室に侵入した者とはその娘か?」
一瞬、脳が混乱して声の主を特定出来なかったが、間もなくしてそれが国王であると気付いた。
「こ、国王様!?一体何故このような場所に?」
「何を言うケイス政務卿…ここは私の寝室だ…出向くのも道理であろう……それに、私はそこの侵入者に恨みを買われているかもしれんのだ……。でなければ一国の王の寝室に忍び込もうなどと考える愚か者はおるまい……故に何か意見したくば聴いてやろうと思ってな……。」
どっしりと威厳に満ちた顔で「ケイネラス王国」国王「リーゼンバート・ケイネラス」は言った。彼は世界の中枢であるこの王国を完璧なまでに治め、国民からも絶大な人気を誇っている。そんな今まで恨みの“う”の字も無かった彼にとって、今回の件はあまりに意外であったのだろう……一般常識で考えても、自分の命を狙っていたかもしれない侵入者の前にワザワザ身を晒す真似はしないハズだ。まぁ、例えどんな腕利きの暗殺者でも、ザイバックの警護から逃げられるワケは無いだろうが……。
「どうだ?娘よ……何か私に意見する事があるのか?」
あくまで優しく少女に接する王の姿に偉大さを感じていると、その少女は突然にザイバックの腕からスルリと抜け出し、王を突き飛ばして寝室から逃げ出そうとした。
「この!……待ちやがれ!!」
ザイバックの体の方が格段に速く寝室の扉に着いた。少女は再び取り押さえれ、身動きが取れなくなった。
「大丈夫ですか?国王……。」
私は倒れた国王の体を起こすと、再び無意識に言葉を発していた。
「国王様……その少女、もしや記憶を失っているのでは?」
「何?……それはまことか?……ザイバックよ、その少女の身元を尋ねてみよ。」
「はぁ……おい!お前、どっから来た?」
ぶっきら棒に聞いたザイバックの顔をキッと睨みつける様に少女は、
「………分からない………ここがどこかも……何にも…分からない……。」
そう吐き捨てた。ザイバックはボリボリと頭を掻きながら王に視線を向けた。
「……だそうですよ……。」
「ふむ、嘘をついている目には見えん……どうやらケイス政務卿の言う通りその少女は記憶喪失の様だ。恐らく自分の家かなにかの記憶と混同してここに来てしまったのだろう……。」
憶測を立てる国王に私は尚も無意識に言葉を投げ掛けていた。
「……私がその少女の身柄を引き受けます……。」
そう言い終ると、私はハッと我に返っていた。ザイバックと国王の驚愕に満ちた顔が私に一斉に向けられている……。何て事を言ってしまったんだ……。
「おいおい!ケイス!いきなり何言い出すんだよ!?マジで言ってんのか?」
ここまで言ってしまったら引っ込みはつくまい……私も男だ!自分の言葉には例え無意識の言葉であっても責任を持たなくては!そう腹を括り、ザイバックに頷くと、国王の声が私を呼んだ。
「ケイス政務卿よ。先の少女の記憶喪失を見抜いた事といい、身柄を引き受けると名乗り出たのといい……何か隠しているんではないか?……その少女に関して何らかの関係があるんでは?」
とんでもない事になった……私に疑いと懸念が懸けられている。
「……いえ、決してそのような事は……。」
「分かった……貴公の申し出を受諾しよう……しかし!貴公への疑が解けたわけではない!よって、この王国での身柄引き受けは了承出来ん……貴公には政務卿の職から外れて、辺境の街カルナムールの取り締まりの任を命ずる。そこでその少女の身柄を引き受けるが良い。」
………こうして……私は少女の身柄を引き受けたのと同時に、辺境に左遷されてしまった…………。何とも数奇的な出会いである……。
君は一体誰だ?……そんな言葉が良く似合うその少女は私の瞳を見つめ、空虚なその薄葵の瞳を私の黒眼(くろまなこ)に写していた。
「君は、名前は何て言うのかな?」
「……シャル……」
「そ、そうか…!私はケイス。この辺境地帯の取り締まりをしているんだ。」
……あまりに冷たい視線と口様に質問した私自身がたじろいでしまった。常に冷静さを失わない私がだ。彼女には生気がまるで抜けている……。まるでクグツの様だ。
―と、不意に扉がけたたましく響き、私はそちらに気を奪われてしまった。
そこには一人の巨漢が立っていた……。
巨漢は私を見るや否やニカーッと野卑な笑いを浮かべた。
「ヒヒヒヒ、調子はどうだ?親友よ!」
武芸に通じ、戦闘では未だ負け知らず、容姿端麗だが、どこかガサツな巨漢は私の一応の親友に当たる【ザイバック】だった。
「おやおや、これはとんだ客だな、将軍様。」
そう、彼は幾多の戦いを無傷で乗り越えてきたその戦歴を買われ、この世界の中枢である【ケイネラス王国】の国王直属に位置する最も誉れ高い騎士団【国王騎士団】の将軍に抜擢された、いわば私の上司にあたる男である。
「おいおい、その将軍様っての止めろよ。何か背中がムズ痒くなっちまう……。お前には昔と同じ、ザイバックって呼んでもらいてぇんだよ……。」
「分かった分かった……で、何でこんな辺境の街まで?」
こんな事を言うのもなんだが、正直なトコ、私が職務に励んでいる街は【カルナムール】と言う、王国からは2000キロ以上も離れた街で、一般に“辺境”と呼ばれ、国王からの信頼が薄い者程飛ばされ易いという……。つまり私も国王からの信頼が余程薄いと見える……いや、このシャルの身元引き受けを申し出たからか?
私の悪い癖で、直ぐに物思いにふけっていると……
「おい!ケイス!!」
ザイバックがそれに気付いたらしく、私に強めの口調で迫ってきた。
「お前なぁ…人に話を振っておきながらそのまま放置はねぇだろ!ちゃんと話を最後まで聞け!!」
「ア、アハハ………すまない…つい、いつもの悪癖が出てしまったよ……そ、それで、君がこんな辺境に来た理由は?」
「ああ、実はな…お前がその身元不明、記憶喪失の少女の身柄を引き取ってから、辺境のこんなトコに左遷されちまっただろ?国王がキチンと“仕事”をしてるか確認を取って来い!って言うから来たんだよ。」
「…………。」
“仕事”…それは辺境の地を治める事も含まれるが、何と言っても私の場合はシャルの記憶の復元と身元のハッキリとした所在を見つける事に重点が置かれていた。そもそも、何故にそこまで国王がシャルを警戒するか、それは私がまだ彼女の身元引き受け人を名乗り出る前、つまり時にして約一ヶ月前に遡る………。

何気なく

2004年8月14日 日常
連日の猛暑……ホンマやっとれんわ……今日はプールに行ってメチャメチャ泳いできたんやけど、帰って来てグッタリ……今構成中の小説への意欲が眠気への意欲へと変わってもうて、危うく眠ってまうとこやったです……。にしても、言い忘れてたんやけど、ワタクシ草薙はこないな喋り方ですんで……日記紹介みたいなんに書いとった口実は……まぁ、初めの御挨拶って事です!今後も詩(うた)を詠みながら、まぁ近々小説も掲載していきますんで、宜しかったら読んでってや!もとい…下さい…。

輝砂

2004年8月14日 ポエム
貴方の横顔が私の心に微かに浮かんだ……
淋しそうに、どこか物憂げに色味を湛えふぅっとロウソクの微火の様に消えた……
私のこの切なさも、苦しみも、悲しみも、
全て貴方に向いている……
悔しい程に私は貴方を深く心に刻んでいたんだ……
薄く淡く、紫の寂しさを交えた夕陽が浜辺を埋め尽くす砂に微かな光を与え、キラキラとその砂達に光のベールを纏わせ、輝砂となった彼らが私の心に染みていく……
何故だろう?胸が無性に痛むのは…
涙が自然に溢れるのは……
もう一度…もう一度でいいから
貴方に抱いて欲しいのは………

弥生

2004年8月14日 ポエム
君は朝焼けの薄日に映えたその愛しい姿を僕に向けて微笑みを浮かべて、何を考えているんだ?透き通る様に白い肌がぼやけた朝日を反射して、一枚の絵画みたいだ……
何故君は僕を好きになったんだ?君みたいな高嶺の花を、僕みたいな荒野の枯草が潤せるかな?
君の愛情を受けた僕が枯草から返り咲けるかな?
先の事考えるのは好きじゃないから、これ以上は何も聞かないよ
ただ、君が僕の前で朝日に煌めきながら微笑んでくれている…
その一瞬、一瞬が既に枯草に活力と潤いを与えてるんだよね…
夢を見続け、それを掴む為に努力する事は必要な事…
でも、現実から目を背けてはならない。
己の力量に無限の希望を抱く事は素晴らしい事……
でも、今現在の力量を知らずに走るのは無謀だ。
人間が潜在能力を解き放つ為には夢や希望が必要不可欠……
しかし、それは全て現実を把握した上でのみ存在する……
現実を把握しようともせずに只ひたすらに希望ばかりを追い求めても、それは無意味……
今を知り、今の自分の力を把握した時
初めて人はゼロから歩み出せる……
夢に描いた理想の自分に………

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