お知らせ!!

2004年9月14日 日常
「我が家の氏神さま!」がいよいよそのベールを脱ぐ事になりました( *^0^)/C□☆【祝】☆□D\(^0^* )

掲載日時は今週中です♪十六夜草子も折り返し掲載したいと思っていますので、ヨロシクお願いします(⌒∇⌒)ノ″

☆草薙ニュース☆Σ(=д=ノ)ノ

新連載の「我が家の氏神さま!」

現在好評連載中の「狼狽」

そして「十六夜草子」がそれぞれ一冊ずつの本になります(o^-’)b

詳しい日程などは定かではありませんが、それぞれ連載終了を目処に取り掛かるつもりです!そこで、もし欲しいと言う人がいましたら秘密日記に申し込み方法が記載されていますんで、リンクを貼ってからお確かめください!!

補足

2004年9月14日 恋愛
ま、当面の間はと言う事ですね。今は恋愛よりも大切な事がありますから、そっちの考えのほうが楽でイイんですよ。

もし、恋をする機会が訪れる可能性があるとすれば、それはまだ時ではない…そう言う事です!!
恋愛というものをみなさんは如何に捉えていますか?
一般的には誰かを好きになる……そう、護りたいとか何かしらの特別な感情が起伏する……そう言うものなのでしょう。
ですが、恋する気持ち…それは果たして偽りは無いですか?
とある人物が申していました。
「人間の脳は、恋のドキドキとその他のドキドキを識別する能力が無い」と。

お化け屋敷で十分ビビらせた後の告白なんかは成功率80%らしいです……。確かに俄かには信じ難い事かもしれませんね。
でも、哲学的に見解を広げてみると……果たして何を以ってして「恋愛」なんでしょうね?そしてどこから「愛」に変わったと言えるんでしょうね?

恋は下心、愛は真心とは良く言いますが、じゃあ下心の無い恋なんか無いと言えるんでしょうか?下心がある愛は存在しないんでしょうか?そして、それらは何処で境界線を引けばいいんでしょうか………。

それに、人を好きになる……果たしてそれは本当に好きだと言えるんでしょうか?心のあやとは言えないんでしょうか?……。
冷たい人間の様に思われるかもしれませんが、この様に疑念を抱けばキリが無いんです。人間の感情は高度ですが、非常に脆いものでもあると思います。動物の様に本能だけで生を繋いでいくのとはワケが違います。押し寄せる本能の波を理性で抑えながら、しかし溜め込みすぎれば何時かは爆発してしまう……。

ある友人に、私に恋をする事をどうしても勧めるのがいますが、正直な所、今の私にそれは出来ないんですね……。確かに恋は素晴らしいです。人間を一回りも、二周りも大きく成長させてくれます。例え振られても、それが人の痛みが分かる優しさへと繋がります…。しかし、私は生まれてから一度も自分で恋をした記憶がありません。つまりは一度も誰かを好きになった事が無いんです。

中高生時代はそれが苦痛でした。何で自分だけ……そう思っていましたが、ある日を境にそれは次第に薄れました。逃げとも取れるんですが、要するに開き直ったんです。どうせモテないんだったらトコトンまで貫いてやる!!って……。

自分でも薄々は気付いていたんですが、異性との間に心の壁を作り、ある程度以上は親しくならない様に制御している自分がいるんです。ですので私は遊びに行くような女友達は独りも居ませんし、気兼ねせずに話せる人もいません。まぁ、普通の会話は交わすけども、一度話題が過去の恋愛話になったりしたときに、自然と距離を離して会話から遠ざかっていく自分がいるんですね。
「アカン、これ以上の話題に参加したら仲良くなってまう。」
ハハハ、アホみたいな理由ですね。

ま、友人達の恋は全力で応援支援をするんですけどね。
自分の恋愛って事になるとどうしても引け腰になって、別に俺はこのままでエエねんと自己解釈して終らすんです。今のところ、
【一生独身】・【一生童貞】を目標に生きております!って、ホンマは天邪鬼なんすよ……せやから巷が恋愛に染まってる中に自分が独身言うのが、結構楽しみなんです♪

せやから彼女が居なくても別に寂しさは無いですし、うらやましさもあんま無いですし、悩みにはあんましなってへんです。
せやから友人には気にすんな言うてるのに……。お人好しなんですかねぇ………Σ(=д=ノ)ノ

長編

2004年9月14日 日常
いやいや、第十四章は長編になりました’`,、 ( ´∀`) ’`,、
自分ではもう少し短く納めるつもりでしたが、「ここまでは書かなアカン!!」と独り責任を感じ結局三部構成の章になってしまった?( ̄ー ̄C=バキッ(。-_-。 )

「十六夜」に「我が家の氏神さま!」は順調に仕上がっていますので、何度も言いますがお楽しみに!!

それではさらばです!!

★*゜*★*゜*♪(ノ’口’)ノワー--プ!…*パッ*
日は半分ほど傾き、変死体に群がっていた野次馬達も元の一般町民へと戻っていた……。

「ハァハァハァ……やっと着いたぜ…荷物は確かこの辺に…あ!あった!」

一番乗りで繁華街に着いたアクイラは、噴水の傍らに置いてある見覚えのある荷物を見つけた。小躍りしながら荷物に駆け寄り、入念なチェックを行い始めた頃、残りの面々が疲労を浮かべ追い着いてきた。

「ゼェゼェ……ったく!何で荷物を置いてきちまったんだよ…。
お陰で余計な体力を消耗しちまったじゃねえか……。」

愚痴を零しながらザイバックは不機嫌そうに荷物に近づいた。
ケイナスも自分の荷物を手に取ると、中身を検査し始めた。

「ふぅ、拙者のは無事でした。」

安心した様に顔を綻ばせ、ケイナスはその場にペタリと腰を落ち着けた。

「ボクのは……うん!無事だったみたい♪」

エレンブラの荷物も無事だった様で、ニコニコと嬉しそうに、レムに荷物を見せている。

「巫女様の荷物は無事ですよ!もちろん、私のもね♪」

ニンマリとアクイラがOKサインを出した。シャルはその合図にクスっと笑うと、ホッとした様に力なく座り込んだ。

「さて、じゃあ俺のは……うん、何とも無い…。」

レムは自分の荷物に異常が無いと確認すると、シャルに素っ気無く質問をした。

「なぁ、シャル……アクイラが言っていたんだが、神通力って何だい?」

「神通力は、魔素を感知して頭痛や腹痛として教えてくれる力なの。魔素の濃度が高ければ高いほど、結果としては私は苦しむ事になる…かな?」

微笑んではいるが、レムにはそれが苦痛を誤魔化す為の笑いに見えた。これから先、彼女は苦しみ続けるのだろうか……そんな事が頭を過ぎる…。

「でも、心配しないで!それはこの姿だからなの……静寂の巫女は成人するまで、身を確実に護るために防御能力が突発的に高いのよ。だから…ゲートを開いて、ギエルハイムに戻って元の姿に戻れば神通力は無くなるわ……。」

「そうか……でも、辛かったら言うんだ。俺達が必ず助けるから。」

シャルの顔に歓喜が浮かんだ。ニッコリと満面に笑みを湛え、シャルは大きく背伸びをした。

「ありがとう!……。」

「お互い様だよ!」

二人はその場に寝転がり、空に向かって大きく笑った。

「うわ!ズルイよシャルさん!ボクも!」

嫉妬を露にしてエレンブラはレムの横に急いで寝そべって同じように笑った……。

「そいじゃ、コッチは男三人で笑いますか?」

アクイラが冗談めいた声色で座った。

「お!いいねぇ!おい、ケイナス!」

「い、いえ…拙者は遠慮させて頂きます。この様に人通りが行き交う場所で寝そべって笑うなどと……武士としてはいたし兼ねる……。」

「冗談だよ冗談♪そんな気持ちの悪い真似なんてしないって!」

本気で躊躇するケイナスを見て、アクイラは野卑に笑いながら言った。ケイナスはホッと胸を撫で下ろすと、

「では、拙者は今晩の宿を探してきます故、失礼…。」

イソイソと宿探しに向かった。ケイナスを見送ると、一同は和やかな雰囲気をキリッと変えて、今後の進路を模索し始めた……。

「さてと……こっからどうすんだ?」

ザイバックが腕を組んだまま空を見上げて呟いた。

「そうだよね……ボク達、旅するって言うのは良いけど、計画性に欠けてない?」

「そうかもね……私もそう思うな。」

女性陣の意見はピッタリだった。ザイバックは益々感慨を深めながらうんうんと唸っている。

「私はここの地理はさっぱりだから、何とも言い様が無いんだよねぇ…。」

アクイラがヒラヒラと降参のポーズを取る。

「そうだな……。」

レムの頭には二つのルートが浮かんでいた。先ずは一度王都へ戻り、事の全てを報告し、王の助力を懇願するルート……もう一つは王へは全てを秘密裏にし、ここから西の山間部を抜けて取り敢えずの町を目指すルート……。結局一人では決め兼ねたレムは、この二つのルートを提案してみた。すると、

「俺は王都へ行くルートに賛成だな!上手く行きゃ王国の船を使えるかもしれねえ…資金援助だって受けられっかもしれねえし。」

「ボクは山間部を抜ける方に賛成かな。シャルさん達が別世界の住人だなんて言っても、信じるとは限らないし、下手をしたらボク達は危険思想者だって思われて牢獄行きだよ!」

異見は真っ二つに分かれた。どちらも確かに納得のいく理由がある…。王都ルートは先ず信じてもらえるかが大きな焦点だし、山間部ルートは時間が掛かり過ぎる……。

「シャルやアクイラはどっちがいい?」

「私は……王都ルートかな……確かに危険ではあるけど、山間部を一々抜けているようなゆとりは無いと思うの。」

「アクイラも同じく!!ギエルハイムにゃ時間が無いんだよなぁ……なるべく時間が掛からずに済む方に懸けたいんだよ!」

「そうだな……巫女本人が王都行きを選んだんだから、一度王都へ帰って、全てを国王様に話そう。」

行き先は決まった。………王都への帰還……。そして全ての報告……。危険を孕んではいるが、シャルの使命達成への一番の近道と成り得るのも、このルートであった。

「そうと決まったら、明日にでも王都に行こうぜ!!」

「あれ?でもどうやって?」

「エレンブラ、心配は要らないよ。ここから数十キロ東に行けば、王都へ向かう船が来る港町に着く。そこで船を借りて王都へ行くんだ。」

「あ!なーるほど。」

「んじゃ、行き先も決まった事だし、今日はもう休むか!」

アクイラはスックと立ち上がり大きく欠伸をした。一同の体も大分疲労している……と、

「いやぁお待たせしてしまって申し訳ない!宿を見つけましたぞ!!」

ケイナスが両手を振りながら明るい声で叫んでいた。ザイバックやアクイラはそれに倍以上の声で返事をすると、ケイナスと共に宿に入っていった。

「そいじゃ、ボク達も行こうよ!」

エレンブラがシャルとレムの腕を掴んで歩き出した。

「やれやれ、エレンブラは元気だな。」

レムが皮肉っぽく笑った。それにつられる様にしてシャルもクスッと噴き出した。

「あーー!二人してボクを笑ったなぁ!レム!!今日こそはボクと一緒にお風呂に入って貰うからね!!」

エレンブラはムスっとしてそう吐き捨てると宿に一人足早に駆けて行った。

「いっ?!混浴だけは勘弁してくれよ!!おい、ちょっとエレンブラ!!」

レムは顔を赤らめながら慌ててエレンブラの後を追った。それを見送りながら、シャルは一人笑った。

「これが……温かいって言う事なのかな?……ずうっと……こんな生活が続けばいいのに……。」

沈み往く淡く錆朱色をした夕空を独り見上げながら、シャルはふと沈んだ表情に切な願いを抱いていた……。

「おーい!シャルも急いで!エレンブラの奴、君も一緒に入れる気みたいだ!!」

不意に届いたレムの声……シャルにはとても掛け替えの無い声に聞こえていた……。

「うん!直行くよ!!」

パンと頬を軽く叩き、嫌な暗い考えを吹き飛ばすと、シャルはニッコリと屈託の無い笑顔で、手招きするレムに向かって走って行った……これから訪れる運命の凄惨から逃れる様に……走り続け、辿り着く先に希望がある事を信じるかの様に……そして、レム達が、自分を信じてくれる仲間達が必ず奇跡を齎すと願いながら………。
―「イーシュの森」…そこは昼間にも関わらず、生い茂る木々に日光が遮られ、薄暗く不気味な空気を醸し出していた……。

「どこだ?!出て来い魔物!!」

レムは怒号を発し、腰の雪凪に手を掛け構えた。すると、その声に反応する様に、アクイラがエレンブラとシャルを抱えて走ってきた。

「やっと追い着いたぜ!あんまし単独で突っ走るなって……。」

息も絶え絶えにその場に座り込むと、アクイラは皮肉った。

「すまない……俺も気が動転してた様だ…。」

「ま、無理も無いか……コッチじゃ想像の産物だからな、魔物って奴は。」

アクイラが苦笑しながら言った。と、その時!シャルの顔が突然に強張り、その場にうずくまると、頭を抑えて呻き始めた。

「どうした?!シャル!!」

「巫女様!!神通力ですね!」

「シャルさん!!しっかり!」

「う……うぅぅぅ、くっ……直…近くに……。」

シャルはそう言うと、直近くに立っている巨木を指差した。一同に異様な緊張が走る……。すると、アクイラは思い切った様に手を振りかざすと、何かを唱え始めた。

「大空に鷹の意思を反芻せし我が力よ……全てを断つ真空の刃を以って応え給え……。【エア・ブラスト】!!」

ギュオオオオオ……アクイラの掌に目に見て取れる程の気圧の渦が集まり始めた。気圧の渦は次第に形を変え、鋸の刃に近い形のまま円形になると、凄まじい勢いで放たれた。

「チェックメイト♪」

ズバンッ!!……巨木はまるで紙切れの様に幹から真っ二つに裂けていた。あまりに現実から逸脱した光景にレムやエレンブラは言葉を失った。……これが、護り手の力……これが魔物が棲む世界で生きる人間の能力……。暫し見入っていると、不意にアクイラから声が飛んだ。

「レム!!巨木がコッチに倒れてきてる!!焼き尽くしてくれ!」

「何だって?!俺はそんな事……!!出来る…。」

「そうだろ?なんたってレイヴァンを吸収したんだ。炎の力はレムに宿ってるんだよ!」

そう……レムはレイヴァンを吸収した…つまり、レイヴァンの能力はすべからくして宿っている……自身に言い聞かせるとレムは静かに目を閉じた。

「灼熱の烈火に燃ゆる熱き血潮を権化とせり……。対峙せしものよ…灰と化せ!【バーニング・スプラッシュ】!!」

ゴオォォォォォォォ!!!!……真っ直ぐ巨木に掲げられたレムの掌が紅く光ったと思うと、次の瞬間、灼熱の業火の渦が噴射され、巨木は一瞬にして灰になっていた…。

「すごい…これが、俺が手に入れた力……なの…か?」

掌を見つめ佇んでいると、アクイラの声が響いた。

「ヤバイ!!後ろだ!!」

「なに!?」

咄嗟に振り返ると、そこには身の丈が三メートルを悠に越える巨大な生物がいた…。明らかに動物ではない、異形のそれは、赤々と鋭い眼光を効かせ、地響きにも似た唸りを上げてレムを睨みつけている…。レムはゾクッと背筋が凍るような寒さに襲われた。と同時に恐怖が心と頭を支配し、一歩も動けなくなってしまった。

「どうした?!早く距離を置け!!」

「だめ…だ……体が言う事を効かない……。」

魔物は、その押し潰すようなプレッシャーと恐怖で満ち、レムの体を硬直させていた。アクイラはチッと舌打ちをすると、シャルとエレンブラを傍の木陰に隠れさせた。

「仕方ない……か。出来れば被害を留めたかったが……そうも言ってられないみたいだし……。」

何かを納得すると、レムに向かって指示を出した。

「おい!そっから動くな!!一発でソイツを片付けるからよ!」

「分かった……でも、なるべく早く頼むよ……。」

「分かった!!」

アクイラはふうと大きく息を吐き出し、静かに目を閉じると、両腕を眼前で交差させ、再び何かを唱え始めた。

「汚れ無き大地と静寂に澄んだ大空よ……汝の均衡を乱せし異形を浄化すべくその御心の力、賜りたもう……。」

キイィィィィーーーーー……甲高い音が場を包んでいく…。アクイラの足元からは青白い光が差し込み、体の周りを稲光が走り回った。バチバチと弾ける音が辺り一帯に広がり、レムは肌に電気の様な痺れが走ったのを感じた。―と、

「フフフフ……ヤハリソウカ。」

魔物の口から言葉が発せられた。驚愕にレムは目を見開き、魔物を見据えた。アクイラも思わず詠唱を止めた。

「チッ……お前、【ゴーレム】か…。」

アクイラが厄介事に出くわした様に顔をしかめた。

「ゴーレム?」

「そうだ、魔物は基本的には喋れないんだけど、一部の例外はこうやって話せるんだよ。ソイツはゴーレムって言う、魔力で動いてるいわば人形だな!」

「フン、小賢シイ……オレハ人形デハナイ!オレハ魔物ダ!」

明らかな憤怒を浮かべてゴーレムは怒号を上げた。

「ヘイヘイ……じゃ、その魔物のゴーレムに聞く。何でアウヴァニアに居る?」

「決マッテイル……。ギエルハイムハ既ニ大陸ノ七割ガ魔素ニ侵食サレタ!アマリニモ魔素ガ膨大ナ為ニ、アウヴァニアニ染ミ出シテ来テイルトイウワケダ。」

不安は的中した。アクイラの予想通り、魔素は既にギエルハイムに収まりきれなくなりつつある様だ……。レムの一番恐れた事態が、その扉を開き始めている……。レムは愕然とした。そして、やり場の無い焦燥感に駆られた……。急がなくては……。

「で、巫女様を殺して、俺達を阻止しようって寸法か?」

「ソノ通リダ!!貴様等皆殺シダァァ!!」

グンと腕を振り上げるとゴーレムは動けないレムにその堅固な拳を叩き降ろした。

「レムーー!!」

シャルの悲鳴にも似た声が響いた。と、その時……ゴーレムの腕がググっと持ち上がった……レムだ。

「俺は迷わない……例えそれが非現実的な事だろうと関係無い……シャルを……シャルを殺そうとする奴は例え神であっても俺は迷わず戦う!!!」

「ナ?!ソンナ馬鹿ナ!!」

「残念だが、俺はお前を許すわけにはいかん。巫女の護り手として……シャルの仲間として!!」

腕を押しのけると、レムは雪凪に手を掛け、詠唱を始めた。

「フフフフ、剣ナド効カヌゾ!」

「地獄の業火よ……我が剣に宿れ……今此処に!!【マグマヴァサール】!!」

雪凪は次の瞬間、灼熱の炎を帯び、レムは詠唱終了と同時に居合いを決めた。時間にして僅か数秒の事だった……。

「フン、ダカラ言ッタダロウ!!効カ……!!!!!」

グォォォォォ!一瞬にしてゴーレムは火柱に飲み込まれ、消滅した。辺りに暫しの沈黙が流れる…と

「ひゅ〜!凄いじゃねえの!」

突然、横からザイバックの声が聞こえた。

「ザイバック!?一体何処にいたんだ?」

「わりいわりい!ケイナスと二人で迷っちまって……。にしても、あれがバケモノか……あ〜あ、俺も一戦交えたかったぜ……。」

心底残念そうに俯くザイバック……。彼には相手が魔物だとかは関係ない様だ……。

「いや、しかし見事!拙者も教えた甲斐があります!」

ケイナスが数秒遅れで追い着いてきた。シャルとエレンブラも安心し、木陰から身を出し、レムの元に駆け寄ってきた。と、アクイラが突然思い出したように大声を上げた。

「あーー!!しまった!荷物を繁華街に置きっぱなしだ!!」

一同「なにぃーーーーー!!!」

………こうして魔物を倒したレム一行の旅は続くのであった。

「ボク、パンツ取られたかもーー!!」

「拙者もパンツが…」

「んなわけあるか!いいから走れーー!」

    
俺は遠野志貴……。子供の頃の事件が切っ掛けでモノの死が見える様になった……。そのお陰でいろんな奴と出会い、今じゃイロモノが多くなってしまった……はぁ……。

「う、う〜ん……。」

やけに陽射しが強いな……俺は朝に相応しくない強烈な光で目を覚ました……。

「やっと起きましたか、兄さん。」

ん?今の声は秋葉だよ…な…?どう言う事だろ……翡翠じゃ無いなんて……。

「ん?おはよう……今日は翡翠じゃ無くて秋葉が起こしてくれたんだ……。」

すると、秋葉は明らかに表情を引きつらせた。何だ?

「あの、兄さん……覚えてないの?」

ん?何を??覚えて……?俺には何の事かさっぱり分からなかった。首を傾げると、率直な質問をぶつけてみた。

「いや、何の事だい?」

「やはり……昨日の兄さんはそれはもう……。」

何か昨日を思い出したのか秋葉の顔は朱色に染まっていた。
なーんか……とんでもなく恥ずかしい事を俺はしたのか?……というか俺は、遠野志貴は昨日何をしたんだ?……屋敷に戻ってきて……琥珀さんが今日はごちそうですよと豪勢な食卓で……
途中、アルクやシエル先輩……なぜか有彦や弓塚までやって来て……アルクがどうせならパーッとやろうとか言い出して……
確かお酒が出てきて……ダメだ!これ以上は思い出せない。

「どうやら、そうみたいだ。お酒を口にした後の記憶が無いんだよ……。」

「はぁ……都合の良い頭ですね。兄さんがうらやましい…。」

皮肉っぽく呟くと秋葉はキッとコチラを睨んだ。

「でも、昨日のアレは忘れてもらっては困るんです!!」

「って言われても……。」

返答に困窮していると、秋葉が俺の腕を掴んできた。

「じゃ、ロビーにみなさんが居ますんで、直接聞いて確かめてください。」

有無を言わさずに俺はロビーに連れてこられた。視線を泳がすと、そこには昨日のメンバーが勢ぞろいしている……。

「やっと来たか、この不良!」

有彦のいつもの台詞……。

「遠野くん、昨日は凄かったですね。」

シエル先輩の意味深な発言……。

「志貴さんったらとーっても上手いんですね♪」

琥珀さんは半ば頬を染めながら………。

「志貴ってばああいう時は吸血鬼以上にタフよね〜。」

アルクは疲れたように肩を慣らしている……。なんなんだよ?!俺は一体何をしたって言うんだよ〜!!

「な、なぁアルク…俺は昨日何をした?」

不躾だとは思ったが俺は率直に聞いた。

「まさか、俺はみんなと………乱…。」

「昨日はホント凄かったよ〜!志貴ってば連戦連勝だもんね♪」

連戦連勝……ってことは一斉じゃなくて一人ずつって事か?……うわーーー!!俺ってば最低じゃないかーー!!

「そ、そんなに凄かったのか?」

「そりゃあもう!全然勝てないんだもん。メルブラ!」

「…………へ?」

何だ?今何だって?……メルブラ……??……!!そうか、分かった!メルティブラッド、格闘ゲームか!!

「そうですよ!兄さん、勝ち逃げなんて絶対許さないんだから!!」

「あ、あはははは。なんだ、そういうことか………。」

俺はとんでもない勘違いをしてたみたいだ……昨日酔った勢いでメルブラをみんなとやって、俺が全勝したってことか……確かにそれなら一連の言葉に頷けるぞ……。

「何を笑っているんです?」

「いや、何でもない!」

「………にしても、メルブラの後のアレは更に凄かったよね〜♪」

「そうですね。遠野くんったらテクニックが凄すぎて私なんてもう足とかガクガクでした!」

……え?!何だって……今、メルブラの後って……。

「兄さん、格闘ゲームだけでなく、アレの時も攻めの姿勢でしたね……。ホント……兄妹だっていうのに……。」

「あ、あの〜、秋葉?俺はまた何かゲームで勝ちまくったのか?」

「いいえ、兄さんはメルブラ以外のゲームはしていませんよ。
ただ……私達、女性陣と………。」

うそ?うそだーーーーーー!!まさか、違うよな?俺はこれだけの数相手に……ってンな事言ってる場合じゃない!!

「女性陣と……?」

恐る恐る聞いた。

「女性陣と、ジェンガで勝負したんですから!!兄妹で争うなんて……ホントに…野蛮なんだから。」

「ほんとに。遠野くんはかなり上手いところを抜くんで、緊張で足ガクガクです!」

「へ?………。」

また?またそういうオチかぁーーーーーー!!

その日一日、俺は弄ばれてしまった……。くそーーー!!人間不信になるだろーーーーー!!

END
本日は、私、草薙 命が選ぶ傑作アニメベスト10を行います。
※あくまで独断と偏見によるものですし、私、草薙がお勧めするアニメです。それでは行ってみましょう♪

ヽ(・_・)1v(・_・)2щ(・_・)3…(`□´)/ダァァー!!

1位:THE ビッグ・オー(1st&2ndシーズン)New!
                 DVD・Videoレンタル可
2位:今日からマ王!New!
            現在BS系で放送中
3位:幻想魔伝・最遊記(リロード含む)New!
               DVD・Videoレンタル可
4位:機動武闘伝Gガンダム New!
               DVD・Videoレンタル可
5位:新機動戦記ガンダムW New!
               DVD・Videoレンタル可
6位:ルパン三世(全作品)New!
            DVD・Videoレンタル可
7位:スクライド New!
          DVD・Videoレンタル可
8位:ラーゼフォン New!
          DVD・Videoレンタル可
9位:勇者王 ガオガイガー(FINALも含む)New!
          DVD・Videoレンタル可
10位:鋼の錬金術師 New!
         現在放送中 DVD・Videoレンタル可
〜〜ピックアップアニメ!(σ´・ω・)σ〜〜

【プラネテス】:面白さ☆☆☆
        話の内容☆☆☆☆
        スタイリッシュ☆☆
        お笑い☆☆
        映像☆☆☆☆
        総評☆☆☆

この作品は現在、深夜放送中ですが、一目見て中々面白いなと感じました。話の舞台が宇宙なんです。しかも純日本人が主人公!
現在のアニメはそれぞれの世界があり、地球とは全く別世界の話だというのが多い中、SFの要素にファンタジックな面を覗かせつつも、主人公の日本人っぷりが何とも異様にマッチしていて、見入られるものがあります!

感動の最終回

2004年9月10日 日常
「世界の中心で愛を叫ぶ」ドラマ版最終回!感動した!

映画や小説とはまた違った世界観と映像で彩られた山田君verも良かった♪映画にしろドラマにしろ、朔太郎はそれぞれに存在するんですね……。亜紀もそう……。

一人の女性(ひと)をあんなに愛せるなんて、ステキな事ですよ。
現代人も見習うべきっすね……。

私は未だ誰も愛した経験はございませんし、愛された経験も勿論の事無いんで、そこらへんには多少疎いんですが、セカチュウを見てると、そんな私にも愛する強さと素晴らしさが分かる様な気がします。

これを読んでくれた皆さんが、ステキな恋愛をしていってくれる事と切に願いたいです。
―カルムナール繁華街………旅の一行は立ち往生を喰らっていた。町人に諮問を求めると、今朝方、カルナムールに程近い【イーシュの森】にて不可解な動物の死骸が発見され、それを見ようと集まった野次馬が道を塞ぎ、交通難が生じていると言う…。

「変な死骸ねぇ……まさか、魔物じゃないよな?!幾らなんでもこんなに早く魔素が染み出るハズは無い……。」

アクイラは懸念を益々深め、苦い色を美しい顔に浮かべた。シャルの表情にも陰りが見られ、不安そうに胸を押さえ、騒擾(そうじょう)とした野次馬の群集を見つめている。

「行ってみよう……。本当に魔物の仕業かどうかは死骸を見れば一目瞭然のハズ……だろう?アクイラ。」

「あ、ああ……魔物に殺された者は体中に濃淡な紫色の光を纏うんだ。魔物から発せられた魔素が死者の魂を食い尽くしているとも言われてんだけどな。」

アクイラは苦笑して手をヒラヒラと振った。

「となれば、やはり実際に確認してみるが早いでしょうな。もし、死骸に光があれば、我々は魔物を成敗せねばなりませぬ。」

ケイナスが静かに低く言った。漆黒の瞳には微かだが、戦いに身を置く者としての戦闘への炎が見て取れた。

「だなっ!!もしかすりゃ、不可解な死骸って奴も噂の誇張かもしんねえし、だってよ、野次馬も結構あっさりと帰る奴が多いぜ♪」

ケイナスの言葉への賛成の意も明瞭に、ザイバックは玩具を得た子供の様に期待と興奮の色を浮かべ、一同に目配せした。
軽率だぞとレムに諌められ、数瞬の時こそ慎んだものの、僅かな空白を経るや否や、レムの諌めも元の木阿弥となった。

「大丈夫だって!シャルさんはボクらが護るし、町の人にも被害は出させないから……。」

「あ……!」

暫く遣り取りを傍観していたエレンブラは、シャルの震える肩をそっと抱くと、ニッコリと笑って見せた。母に抱かれている様な温かさがシャルの体を、そして心の不安と緊張を包み、シャルは自然と己が内に侵食していた緊迫感や懸念、そして不安が取り除かれていく………そんな優しい感覚で満たされていくのを感じた……。と、その様子をじっと伺っていたアクイラは、何やら感慨深く首を傾ぐと、何かしらの答えに行き着いた様に次の瞬間には目を見開き、消え入りそうな声で呟いた。

「やっぱ……【副作用】か……。」

隣に居たレムは、その微かな声を聞き逃さなかった。シャルをチラチラと目で追いながら考え込むアクイラに近づくと、

「アクイラ……今言った【副作用】とは何の事だ?シャルに関係があるんじゃないか?…。」

あくまでも優しく、しかしその言葉から伝わってくる物には有無を言わさぬ覇気が内包されていた。アクイラは一瞬、誤魔化し躊躇したが、無駄だと悟ったのか、はぁと大きく溜息を吐くと、レムの耳元に口をあてがった。

「今から話す事は巫女様には絶対内緒だぞ。巫女様以外のヤツには後でレムから内密に伝えてくれ。……巫女様の姿が実年齢よりも若い理由は知ってるな?……そう、それはコッチで密偵活動をしながら本来の使命であるゲート開放を遂行する為、コッチの法律で一番規制が緩和されてる15,6歳の姿になって、より自由な状態にしておく……だな。」

「ああ、それは分かっている。」

「話を続けるぞ……最近の巫女様を見て何か気付かないか?」

「う〜ん……確かに、シャルは静寂の巫女に関連する事象に対し、極端に不安や自責を背負っている様な……そう、気負い過ぎている気がする……。」

「その通り!確かに巫女様の背負ってる使命は、世界そのものの命運を握ってる……不安になるのも、責任感に縛られるのも分かる……。でも、ギエルハイムに居た頃の巫女様はとても凛としておられ、不安や自責を制御出来ていた……。だが、今の巫女様はどうだ……制御どころか押し潰されそうになっていらっしゃる。」

不意にアクイラの顔に喪失感が浮かんだ。

「実はな、巫女様の様に実年齢よりも若い頃の姿に若年化(ミュータンス)する技術ってのは、ギエルハイムでも超高度な技術なんだ。成功例も著しく少ない。巫女様がまともにミュータンス出来た数少ない実証例の一つだ。但し、やはり失敗者と同様にして、欠損が生まれていたらしい……。」

「欠損?」

「そうだ、失敗した者の殆どは、何かしらの欠損が発生したんだ。例えば、腕だけが若年化してしまい、アンバランスな体型になったとか、記憶を全て幼児の頃に戻されたとか……。どれも社会不適合者として施設送りさ……。巫女様は欠損と言っても、元のお姿に戻れば消える軽症だけど、ただ、旅には大いに差支えがあるんだよな……。【心の脆弱化】……それが巫女様が負った副作用だ。強い使命感や正義感、そして不安や緊張に対して過度に弱くなるんだ……。最悪、そのプレッシャーって奴に押し潰されてしまって、廃人になる可能性だってある……。」

「そうか………。」

レムは静かに相槌を打つと、踵を返してシャル以外を呼び、シャルの副作用を言葉密かに伝えた。その間、アクイラはシャルと会話を交わし、シャルの気をアクイラに集中させた。話が終るとほぼ時を同じくして、レムも伝え終えた様子で、チラリと視線でアクイラに終了の合図を送った。

「それじゃ、ヨロシク頼むぜ!レム……。巫女様はお前を頼りに思ってる……。お前が掛ける励ましの言葉、労いの言葉は必ず巫女様を救う……。」

「分かった……。」

二人は暗黙の握手を交わすと、何事も無かったかのように談笑を交わしながら戻ってきた。

「決まったぜ!今からイーシュの森で魔物散策に行く!」

「みんな、本当に魔物が出現した時の為に、武器の携帯は忘れるなよ……。エレンブラとシャルは俺とアクイラに付いて来てくれ。」

「うん!分かった。絶対に護ってよね!二人とも。」

「レム、アクイラ……無茶はしないで…。」

「ああ、分かってる!」

「勿論ですとも!命は惜しいですから♪」

「と言う事は、拙者とザイバック殿が組むんですな。」

「ヘヘヘヘ♪刀と剣、どっちが早く魔物を倒せるか……勝負しようぜ!」

「フフフフ、望むところです!」

レム達は、野次馬の間を巧みにすり抜けると、死骸のある森の入り口に着いた。そこに横たわっていた動物は、鹿らしき物だったが、全身は濃淡な紫の光に覆われ、正に異形の様相だった……。背筋にゾクッとする悪寒が走る様な感覚にレムは顔を歪めると、

「行くぞ!これで魔物が居る事はハッキリした。早く見つけて倒すんだ。町の人に被害が及ぶ前に!!」

森の奥の一点だけを見据え、怒声にも似た声で叫んだ。辺りに散開している仲間達を一瞥し、全員が頷くのを確認すると、レムは風の様に森の中へと駆けて行った。それに続く様にしてザイバックとケイナスが走り出し、最後にアクイラがエレンブラとシャルを抱え、森へと走った。

「ちょ、ちょっと恥ずかしいから降ろしてって!」

「アクイラ!急いで!レムに追いついて!」

「恥ずかしいだの急げだの…注文は一個にしておくんなさいよ!」

エレンブラ&シャル「レムのトコに急いで!!」

「ヘイヘイ……。」

辺りの野次馬に騒然とした空気が流れていた……。こうして、レム達は魔物を倒すべく、森の中へとその一歩を踏み出した……そして、この行動こそが、彼等の運命の歯車に拍車を掛ける事となる………。

?へ続く…
私は特機(スーパーロボット)やリアルロボットで構成された地球防衛組織の母艦ネェル・アーガマの艦長兼、組織隊長の任を請け負った、「ブライト・ノア大佐」である。今日も地球を護るため!いざ出撃!!

ブライト「さて、戦況は?」

トーレス「我々が優勢です。敵機の70%は壊滅しました。」

ブライト「そうか……。」

トーレス「どうか、なされたんですか?」

ブライト「いや、何でもない…。」

サエグサ「艦長!アムロ大尉より通信です!」

ブライト「回してくれ!」

アムロ「ブライト、コッチはもう直片付く。」

ブライト「あ、ああ……。」

アムロ「どう、したんだ?様子がおかしいぞ、ブライト。」

ブライト「いや、何でも無いんだ。」

アムロ「いや、俺にはわかる!ブライト、君は嘘をついてる。」

ブライト「やはりアムロには隠し事は出来ないな。実はな、今日は……大切な日なんだよ。」

アムロ「!!………そうか、ミライとの結婚記念日か。」

ブライト「いや、違う。」

アムロ「じゃあ、ハサウェイの誕生日?」

ブライト「それも違う。」

アムロ「じゃあ何だよ?」

ブライト「……マジンガーシリーズ歴代美女全員集合!水着写真集初回限定版、初回特典:さやかとジュンのサイン入り水着、税込み3800円!の発売日なんだ!!うおーーー!私は何としても手に入れるんだ!!早いトコ敵を全滅させてくれ!」

アムロ「…………。」

アムロ「よし!街に敵を侵入させてゲームオーバーだ!!」

ブライト「やめてくれーーーーー!!」

アムロ「うるさい!お前の道楽に付き合えるかこのエロ艦長!」

ブライト「何を!?メガ粒子砲、撃てーーーー!」

アムロ「味方に撃つだと?!いい加減にしろ!逆切れエロが!!」

ワーーワーーギャーーギャーー…………。

私はブライト・ノア。地球を護る組織を束ねる者。


END

謎が謎呼ぶ

2004年9月8日 日常
大分話もややこしくなってきた「狼狽」………。自分でも書いてて「アカンアカン!もっと分かりやすう書かな!」と自己を諌めながら書き進めておりますが……ここで速報をひとつ!!

掲載すると散々言ってきた「十六夜草子」の第一幕其の弐ですが、予定よりも大幅に遅れてしまい、申し訳無いです。
来週の月曜日までには確実に掲載出来ますんで……もうしばらくの辛抱をお願いします……ヽ(o_ _)o。

そして、最新ニュース☆。.:*:・’°

近日から新しく小説を連載致します!

タイトルは「我が家の氏神様」といいます。

ジャンル的には日本古来の神話に現代世界のMIXの様な感じの奴で……恋愛ものでもあります。

狼狽よりも明るさが飛びぬけた作品ですんで、まぁ気楽に読んで頂ければ結構かと存じます’`,、 ( ´∀`) ’`,、

では、御機嫌よう!(←結局すぐに戻ってくるけど)
「!……そんなに【魔素】は侵食してるの?」

「ええ!もう大陸の半分は【魔素】に食われました…。このままじゃギエルハイムが消滅するのも時間の問題です。」

「なんてこと………。他の二人の護り手は?」

「今はまだ合流できません。次期に巫女様の旅に参加すべく、コチラ側にやってきますので、ご心配なさらず……。」

深刻な面持ちで会話を交わすアクイラとシャル……傍から見ても、一刻を争う事態に直面している事を察しずにはいられなかった。

「レム……ボク達が頑張らなきゃ、シャルさんの世界は消えちゃうんだよね……。」

エレンブラがレムにしがみ付いたまま言った。レムも大きく頷き、決意と覚悟を新たにした。ザイバックやケイナスの表情にも真剣な色が浮かんでいる……。暫し辺りは異様な緊張感が張り詰めた……と、

「……とまぁ、そんなトコです♪それじゃあ、出発の前に、改めて全員自己紹介をしましょう!」

今までの緊迫した顔は一転、明るい顔に変わった。張り詰めていた緊張感はたちどころに消え、何とも不思議な男だと一同は思った。

「それでは、まずは私から♪私は【静寂の巫女】で在らせられるシャル様を護る【護り手】、ギエルハイムの【マイヤーニ】出身!25歳独身!!泣く子も黙るいい男!【アクイラ・メイヤー】だぁーー!!」

「………せ、拙者は【ケイナス・アデンバー】と申す者で、剣士であります。刀鍛冶で有名な【トウコク】の出であります。」

「俺は【ザイバック・ブレイブス】!!レムとは切っても切れない腐れ縁で繋がった、いわば兄弟のようなもんだ!【レンブラント王国】の【王国騎士団】の将軍をやってる!戦闘こそ俺のフィールドだぜーーー!!」

「ボクは【エレンブラ・シャルロット】。レムの許婚で、ザイバックとも旧知の仲なんだ。【レンブラント王国】の出身で、趣味はレムとの結婚生活をシミュレーションする事でぇ〜す♪」

「私は【シャル・アトワイル】……。ギエルハイムに巣食う魔物を封じるために生まれた【静寂の巫女】。ゲートを開き、幸福の力をギエルハイムに送り、魔素を打ち消す事が今の使命です。
みなさん、共に頑張りましょう!!」

「最後は俺か…。俺は【レム】。レイヴァンを吸収する前は【ケイス・アルムナス】として23年間生きてきた。この旅はギエルハイムだけでなく、アウヴァニアの命運をも変えるかもしれないと思う……。だから、みんな!!力を合わせ、必ずゲートまで辿り着こう!!」

改めて自己紹介を済ませた一同の心には、確固たる決意と覚悟が生まれていた。志気も上昇している……。

「でだ、一つ言っておくぜ!ギエルハイムの魔素はかなり増えてる。多分、魔素の一部は【エンベラスゲート】からコッチに染み出して来るはずだ。」

「魔素?エンベラスゲート?」

エレンブラが首を傾げ頭を抑えながら聞いた。ザイバックも同様に頭を抱えアクイラを見ている。

「そっか、知らないんだよなぁ……。【魔素】って言うのは魔物、つまりバケモノを生み出す素だ。魔素に人間の負の感情が加わると、実体化して魔物になる。【エンベラスゲート】ってのは
ギエルハイムとアウヴァニアを経由する俺達みたいな奴等がトランスポーテーションすんのに必要な門さ。」

「ト、トランポリ……???」

「ハハハ、トランスポーテーションだよザイバック!そうだな、簡単に言えば瞬間移動かな?」

「なるほど…。」

レムの不安は的中した……。アクイラの言っていること…それは魔物がアウヴァニアに出現するということだ。つまり、一般市民を恐怖に陥れ、虐殺を行う……そんな惨劇がこれから起こる可能性が十分にある事なのだ……。グッと拳を握り、レムは一刻も早いゲート開通を強く決意した。ザイバックやケイナス、エレンブラも同様の想いを強くしていた。……一方、シャルは顔色が優れない様子で、ずっと手を握り締め、思いつめた様に俯いていた。
アクイラは異変に気付いたのか、しきりにシャルに声を掛けた。が、シャルの様子は一向に変わらなかった。レムは、ゆっくりとシャルに近づくと、ニッコリといつもと変わらぬ笑顔を見せた。

「シャル…君が責任や罪悪感を感じる必要は無いよ。俺達が必ずゲートまで無事に、そして迅速に君を運ぶから……。君は希望を信じていてくれ。ギエルハイムを、アウヴァニアを救えるのは君だけなんだから。それなのにそんな切迫してたら、きっと救えるものまで救えなくなる……。」

レムの言葉にシャルの顔の緊張が解けていった。シャルは大きく頷くと、

「そう、だよね!私がいつも笑顔で希望を捨てなければ、きっと大丈夫だよね!!」

迷いの無い鷹揚とした声で言った。

「そうだぜ!!それでいいんだよ!」

「希望を捨てぬ限り、笑顔を絶やさぬ限り、勝機は常に我々にあり!ですな。」

「ボクも頑張るぞ!!」

「みんな燃えてるねぇい!それでこそ巫女様を護るチームってもんだ!!」

「シャル……頑張ろうな。」

「うん……。」

………アウヴァニア暦1200年 九月七日……静寂の巫女とその護り手達の旅は、始まりの鐘を鳴らした……。
―翌日……。まだ朝日も顔を出さない薄靄掛かった葵色の庭に、レムは一人佇んでいた。

「(今日からいよいよ全ての謎を解き明かす旅が始まる…。ゲートに行けば、きっと分かる筈だ……。俺に秘められし謎が…この世界の真の姿が……。)」

大きく深呼吸をして、レムは背伸びをした。肺に明け方のヒンヤリとした心地良い空気が入っていく……と、レムは不意に後方に気配を二つ感じ、背伸びを止めて気配に向かって踵を返した。

「よっ!やっぱ起きてたか。」

「やはり、これからの事を考えると…おちおち寝てはいられませんな。」

気配はザイバックとケイナスだった。レムはホッとした様に胸に手を当てると、にこやかに二人に手を振った。

「俺もさ。俺たちが同行する旅は決して一筋縄じゃ行かないハズだからな……。ギエルハイムに巣食う魔物達にとって、シャルは忌むべき存在であり、また、幸福の力を齎すゲートも邪魔なハズだ……。俺達の旅は魔物にとっては絶対に阻止したいもの……。
いくらアウヴァニアが平和だと言っても、それは多分今日までの話さ……。奴等は必ず俺たちを殺しに来る……。」

柔らかい顔は一変して真剣な面持ちに変わった。旅の中で常に狙われる命……平和なアウヴァニアでは想像も付かぬほどの危険と恐怖……それを今、彼等は感じていた。

「さて、そろそろ朝陽が昇る頃だ。シャルとエレンブラを起こして、朝食にしよう。」

レムが重苦しい雰囲気を掻き消すように明るく言った。ザイバックやケイナスもそれに呼応する様に明るく笑いを見せた。三人は朝食の準備をする為に、リビングへ続く通路を抜き足で通り過ぎていった。まだ、女性陣は寝ている……朝食が出来るまでは起こすまい……彼等なりの紳士的振る舞いのつもりだった。漸くの事でリビングに着くと、

「おはよっ!遅いね三人とも!」

「もう、朝食の準備はしてあるわ。」

……既に女性陣は起きていた……。しかも朝食の準備までしてある……。と、レムはふとエレンブラが気になった。目の前に居るエレンブラは昨日の事が嘘のように普段通りである……。

「エレンブラ……昨日の事は、大丈夫かい?」

エレンブラは少し躊躇った様にレムを見ると、次の瞬間には満面の笑顔で応えた。

「全然平気だよ!!……ってまぁ、少しはショックだったけど……レムになったってボクの婚約者だよ♪それに、かっこよくなったしさ!ほんとはまだ信じられない事も多いんだけど……レムがケイスだって事は信じられるからイイんだ♪」

「エレンブラ………ありがとう。」

「エヘヘ、照れるなぁ♪」

エレンブラは照れ臭そうにおでこを掻くと、そそくさとダイニングへ駆けて行った。

「な?俺の言った通りだろ!?俺達は深い絆で結ばれた仲間なんだからよ!今更、サプライズな秘密の一つや二つあった所で、愛想尽かすような下衆はいねえよ!な!エレンブラ!」

後ろから肩を組んで来たザイバックが得意げに言うと、エレンブラももちろん!と言った様に大きく頷いた。満足気にザイバックはレムの顔を覗きこむと、シャル、ケイナスを一瞥して、大きく笑った。

「ガーッハッハッハッ!最高の仲間ってのはこういう事だな♪」

それに呼応する様にあたりは笑いに包まれた……全員がザイバックと同じ想いであった……。

「さ、朝ごはん出来たよ♪今日から旅なんだから、精を付けなきゃね!」

「!!エレンブラ…知ってたのか?」

ザイバックが口に含んだコーヒーを噴き出した。

「もちろん♪シャルさんがボクもって言うからさ♪」

「シャル殿……。」

「そうよ。私が一緒に来てってお願いしたの……。愛する人や友人が危険な旅に身を晒すのを、黙って見送って帰りを待っているだけなんて……旅先で共に命を落とす事よりも遥かに辛いから………。」

シャルの顔にふうっと悲しみが浮かんだ。

「そうだな。行くならみんな一緒だ。」

レムはシャルの異変を感じたのか、不意に立ち上がって大声で言った。

「おう!レムの言う通りだぜ!」

単純な思考回路のザイバックはあっさりとエレンブラ同行を受け入れた。一方、ケイナスはまだどこか躊躇を見せていたが、ふうと小さく溜息を吐くと、

「そうですな……少々危険ですが、エレンブラ殿も同行させましょう……ただし!エレンブラ殿には旅の中で拙者の指導の下、護身術を身に着けていただく事が条件です!」

護身術体得を条件に、自分の中で納得をいかせたようだ。

「わかった!ボクも足手纏いにはなりたくないから。」

エレンブラ俄然やる気である。こうして、旅の面が揃ったのであった………。

―朝食後、各々はリビングで出発前の談笑していた。これでこの屋敷も暫くは空き家になる……。レムは今まで何気なしに過ごして来た屋敷に、改めて振り返ってみると懐かしさを覚え、心なしか視線は屋敷を見回していた……と、その時、不意に大きな気配をレムは感じた。リビングの中央に、明らかな“異様”が感じて取れる……。他の面々も次々に気配に気付いたらしく、談笑を止めて神経を集中させた。

「まさか……敵か?」

「いいえ、違うわ……この気配は……。」

シャルが次の言葉を紡ごうとしたその時、リビングの中央の空間が捻じ曲がったかと思うと、歪みの中から一人の優男が現れた。
シャルを除いては、その現実を大きく逸脱した光景に目を奪われ、ただ立ち尽くしていた。優男は地面に足を着けると、片手を振って空間を修復させた……エルバートと同じように……。

「よう!諸君。御機嫌よう♪」

優男はニコっと笑うと明るく言った。

「アクイラ!!どうしてここに?!」

アクイラと呼ばれた優男は、薄紫の長髪に美しさを垣間見せる顔立ちをしていて、シャルに名を呼ばれると、満面の笑みを湛えてシャルに近づいていった。

「おお〜♪これは巫女様!私を覚えておいでで!」

ぽかんとその様子を見ていたレムは、不意に我に返った。

「シャル!その男は?!」

「彼はアクイラ……彼もまた、【護り手】よ。」

「ほう♪私もと言う事は……そこの君!君も護り手だね。でもおかしいなぁ……コッチの人間には護り手の力なんて……。」

「俺はレイヴァンを吸収して、真人(トゥレイオ)となった新たな護り手だ。」

「!!真人(トゥレイオ)だって?!そいつぁ凄いじゃないか♪それも、あの殺戮野郎を吸収したんだろ?やるねぇお兄さん♪」

レムに続き他の面々も漸く事態を把握し始めた。

「おい!じゃあお前も仲間なのか?」

ザイバックは一度悩みが吹っ切れたら、いきなり核心を突くような事を平気で言えるのだ……。レムは常々そこだけは見習いたいと思っていた……。

「ん〜…君等が巫女様を護りながらゲートを開きに行くって言うなら、仲間……かな。」

あまりにも敵意の無い話し振りに、彼等の中にアクイラを警戒する心は無くなっていた。暫く質疑応答を交わした後、アクイラは仲間として認められた。

「それじゃあ、ヨロシク頼むよ!共に巫女様を護ろうぜ〜♪」

「おーーーー!!やってやろうぜ!アクイラ!!」

ノリが近いのか、同じ単細胞なのか、ザイバックとアクイラは既に意気投合している。

「しかし、何でまたアクイラが……。」

「おっと、そうだった!それを言わなきゃ!!……巫女様、今ギエルハイムは大変危なくなっています。一刻も早く、ゲートを開かねばなりません。」
レム達は、屋敷に向けての帰路を歩いていた。

「さてと、どう説明すればいいものか……。」

レムは一抹の不安を掻き消せずにいた……エレンブラはケイスの秘密、否、レイヴァンの存在すら知らない……というよりも知らされていなかった。己が変わり果てた姿を視線に焼き付けたとき、彼女が取る態度がレムに不安を駆り立てた。

「あんまし深く考えんなよ。きっとエレンブラだって分かってくれるって!」

「そうですよ!ケイ…いや、レム殿が気に病む程の事は起こりませぬ。」

ザイバックとケイナスはアッケラカンと言葉を投げた。まるで、レムが抱える不安など、単なる杞憂に過ぎないと言った様なその態度に、レムは多少の不安を取り去ることが出来た。

「そうだな、俺の婚約者なんだ……信じてやらなくては。」

「そ!そういうこった!」

ザイバックがニヒヒとレムに野卑な笑いを送ると、レムは不思議と心に巣食う黒い不安が晴れていく様だった。長年付き合いがある中で、レムは初めてザイバックの笑いに救われたような気がした。暫く談笑を交わしながら更に歩みを進めること20分…。
屋敷が見えて来た。

「お!到着だ♪おーーーいっ!!帰ったぜーー!!」

ザイバックは大手を振り、天をも貫きそうな鷹揚とした声で叫んだ。その声に応える様にシャルとエレンブラが明るい顔色を浮かべてレム達の元へやってきた。

「おっかえり〜♪で、どうだったの?ケイスは優勝した?」

「どうだったの?」

二人は無垢な笑顔で待ち遠しそうにザイバックに詰め寄った。ザイバックはたじろぎながら、チラチラとレムとケイナスに視線を送った。が、二人はそれに全く気が付いていない様子で、なにやら話し込んでいた。

「チキショー……シカトか…。」

「ね、ね!」

「早く!!」

ザイバックは諦めた様に大きく溜息を吐くと、後退りを止めて、近づく二人を両手で静止させた。

「わーったよ。結果は…準優勝だ……。」

「う〜ん、惜しかったねぇ……でも、いいじゃん♪流石、ボクの許婚♪」

「ケイスってそんなに強くなったのね。凄いわ……。」

「で、でも……なぁ……。」

ザイバックの声が不意に萎んでしまった。レムの事を話すのが心苦しいのか、頭をボリボリと荒く掻きながら困惑している。

「でも……何?…もしかして!!ケイスに何かあったの?!」

「ま、まぁ……あったといえばあった事になる……かな…。」

「何があったの?!大怪我とかしてないよね!?」

突然に切迫した様にエレンブラがザイバックに詰め寄った。シャルも突っかかるまではいかないが、表情には明らかな不安が見て取れた。

「い、いや!怪我とか、そんなんじゃねえんだ……。つまり、その……何て言うか……。」

「ああもう!!ハッキリしてよ!!……ところで、ケイスはどこ?!」

「いや……それが……その……。」

「何なのさ!!」

ザイバックの思考回路は既に一杯一杯だったらしく、言葉も途切れ途切れになっていた。エレンブラはその態度にイライラを募らせ、ケイスを必死に探している……。目の前に居るレムがケイスであるとも知らずに彼女は懸命にケイスの姿を探している……。
ふと、レムの視界にザイバックのアイコンタクトが飛び込んできた……限界を指しているその表情にレムはフッと笑みを返し、エレンブラに近づいて行った。

「ちょ、誰?ボクはケイスに会いたいんだ!」

「エレンブラ……俺だ…いや、私だ……。」

レムの口から聞こえた声は確かにケイスの声だった。エレンブラは放心した様にレムに視線を止めた。

「え…………ケ…イス…なの?」

「ああ、話せば長くなるが、俺は確かにケイスだ。いや、元…か。」

「どういうこと………なんで…。」

エレンブラは現実に映る変わり果てた婚約者の姿にただ言葉を失った……。すると、シャルが突然レムの頬を張った。

「!!………どう…したんだ?」

「おい!シャル!どうしたんだよ?!」

「……まさか、ケイス……レイヴァンを吸収したんじゃ……。」

「!!」

レムの体がピクッと強張った。シャルの顔は憤怒に彩られている……。

「なに?どういうこと?レイヴァンって誰なの?!」

「……そうだ。俺はレイヴァンを吸収した。そして新たな護り手として新生した……。俺はもう、人間じゃない……。」

「何?!何なの?!どういうことさ!?」

「……そんな!……ケイス!アナタ、どう言う事をしたかわかってるの?!」

「ああ!!俺はもう元の生活には戻れないさ。でも、後悔はしていない!レイヴァンに支配され、俺の体が殺戮を繰り返すよりも、遥かにマシだ!!!!」

「何………どういうことか分かんないよ……。」

「エレンブラ、ちょっと来い、俺が説明する。」

ザイバックは困惑し狼狽するエレンブラに全てを打ち明ける為、エレンブラを屋敷内に連れて行った。ケイナスはその後をイソイソと追いかけて行った……。

「シャル……俺は君が静寂の巫女としてゲートに向かう旅に同行する……。護り手として、そして大切な友達として……。それじゃダメかい?………。」

レムはフッと項垂れた様にシャルの顔を覗きこんだ。シャルの目には雫の如く涙が溢れていた……。

「だって……私の為にケイスが……ケイスじゃ無くなったんだよ……。」

レムは温かく微笑みかけると、シャルをグッと抱き寄せた。小さくて細いシャルの体はフウッと吸い込まれるようにレムに引き寄せられた。

「シャルが気に病む事なんて無いよ……これは俺の意思だから……。」

「ケイス………。本当に、本当にいいの?危険な旅になるかもしれないんだよ?」

「いいに決まってる。それに、俺は強いよ。」

「分かった………。一緒に来て。ゲートまで……。」

シャルの蟠りは消えた……。暫く二人はそのまま抱き合っていたが、ザイバック達の視線に気付き、慌てて離れた。

「お二人とも!拙者達をお忘れでは無いですか!?」

「そうだぜ!!俺達だって付いて行くぜ!!」

「ザイバック……ケイナス……ありがとう!!」

シャルは今とても心が温かかった。異世界にこんなにも自分の事に親身になってくれる仲間が出来るとは思っていなかった。四人は固く握手を交わすと、沈み行く真紅の夕焼けに繋ぎ合った手を高らかに掲げてこれからの旅の誓いを心で結んだ………。

「そういえば、エレンブラは?」

レムが心配そうにザイバックに尋ねた。

「エレンブラなら大丈夫だ。まだ俄かには信じられないって顔してたけど、一応は納得したみたいだぜ。今日はもう休むって言ってたぜ。」

「そうか……彼女には悪い事をしたな。」

「なに辛気臭え事言ってんだよ!!アイツだってお前の事を信じてるから現実を受け止めようとしたんぜ……お前はその愛に応えなきゃな……それが、アイツへの最大の心遣いってもんだぜ!」

ザイバックは自分でも臭い事を言ったなと鼻筋を掻いて照れ臭そうに屋敷へ小走りに走っていった。

「拙者達はレム殿を信頼しています!誰もレム殿を恨むなどしませぬよ……。では、拙者もこれにて休まさせていただきますぞ。
明日からはいよいよ長旅の始まりですからな。」

「明日からはお世話になるね……。改めて宜しく!……それじゃ、私も先に寝てるね!」

ケイナスとシャルも続いて屋敷へ入っていった……。
レムは一人、帳が落ちかけた夕空に向かい、静かに目を閉じた。
これから始まる旅に想いを馳せながら……。

グレイト!!

2004年9月6日 日常
最近、西遊記や今日からマ王!にハマっているばかりでなく、ブラックキャットにも遅ればせながらハマリ出しました♪

トレインとかスヴェンとか、あとは何と言ってもイヴでしょうかね(^▽^)ナノマシンで肉体を自在に変化させることが出来るなんて……しかも女の子ですから……。羽なんかも生やしたり出来るんです。

おっと、もうすぐ「狼狽」第十二章を掲載致します!!

もう少々お待ちを……。
西遊記は面白いですね♪リロードも最高ですよ!!俺のお気に入りはやっぱ三蔵ですかね(^▽^)クールな瞳に粗暴な言葉使いが最高の僧のイメージとかけ離れててめちゃめちゃエエ味出してますね!!

武器が銃ってのもイカス!猪八戒も好きですかね♪優しく笑顔で妖怪を蹴散らす様なんて、流石!!

悟空は若干子供っぽくてイイんじゃないすかね。

まだ俺見てへんなぁ…。って思ってる貴方!レンタルで借りて見てみて下さいな!きっとハマリまっせ。

以上、最近ハマってるアニメ第二号でした。
ボクはエレンブラ。ケイスの許婚……。ボクって言ってるけど、立派な女の子だからね!

エ:「ハァ……最近、ケイスが冷たいなぁ…。」

ザ:「そうかぁ?いつもと変わんねぇだろ……。」

エ:「分かってないなぁ……男友達と婚約者は違うでしょ!」

ザ:「何?!婚約者がより深いとでも言いたげじゃねえか!」

エ:「そうだよ!ボクの方がずっとケイスとは深いに決まってるよ!!」

ザ:「聞き捨てならねえな!じゃあお前はケイスの裸を見た事があるか?」

エ:「え!?……バ、バカ……そ、そんなこと…あるわけないじゃ……。」

ザ:「ヒヒヒヒヒ♪何顔赤くしてんだよ?!さては、想像しちまったかぁ?」

エ:「そ、そんなんじゃないよ!!じゃ、じゃあさ、ザイバックじゃケイスとは交われないじゃん……。」

ザ:「当たり前だろうがっ!!気色の悪いこと言うなよ。」

エ:「そいじゃあボクの勝ちだね♪ボクは交われるし、ケイスの子供だって産む事が出来るんだもんね♪」

ザ:「む……なんかしらんが悔しい……。チクショーー!!俺なんてケイスが子供の頃おねしょした現場に……。」

エ:「ボ、ボクなんてケイスが転んで泣いてる所を介抱したんだから!!」

ザ:「ええーーーい!!俺は、ケイスが始めて告白して振られた時の…………ハッ!!!!!」

ケ:「時の……何だい?………。」

ザ:「ケ、ケイス!!……いや、これはその、あのだなぁ…。」

エ:「ボ、ボクは…ただ、あの、その……。」

ケ:「そうかい……反省は二人仲良く………ね♪」

ザ&エ「ぎゃーーーーーーーーーーーー!!…………。」

END

付け加え

2004年9月5日 日常
そうそう、決勝戦でケイスと戦うハズだった【ケント・クラブル】は世界的に有名な剣士で、ザイバックと唯一引き分けた自他共に最高クラスの剣士である。彼の愛剣【クレヴァライズ】はガンテスが打った唯一無二の刀以外の剣で、使い手の意思の強さを力に還元出来る特殊な宝珠の力が宿っている、世界で知らない者はいない剣ですね。彼はまた後ほど登場しますんで、その時に詳しくは分かると思います。

そしてもう一つ!!第十二章からは今までケイス視点の語りだったんですが、それを客観的な視点で語りを構成したいと思います。

つまり、今までは、 私はゆっくりと辺りを見回して、不気味な感覚に陥った。が、 ケイスは辺りをゆっくりと見回すと、不気味な感覚に陥った。となります……ってあんまし例の意味が無かったか…。ま、そう言う事なんで、よろしくお願いします。

急展開2

2004年9月5日 日常
いや〜、急激に話が転調した第十一章……どうでしたか?あんまりにも新要素が多すぎて、分かりづらかったかもしれません。

なのでここでは新単語についてちょこっと説明をさせて頂きます。

まずは【吸収】ですね。話の中で行き成り出てきて僅か数行で実行されたんで、何やねんと思ったかもしれませんが、【吸収】と言うのは、【護り手】つまりレイヴァンの様に静寂の巫女を護る使命を帯びた者が、新たに新生する為の契約です。護り手の意思や魂は消え、能力や知識だけが契約者、つまり護り手を受け入れた者にもたらされるんです。
何故、ケイスがレイヴァンを受け入れたかは前章で述べられていますが、じゃあ何故レイヴァンがケイスの中で眠っていたか……何故、魂だけで肉体を持っていなかったのか……それはおいおい分かりますんで此処では控えさせて頂きます。

次に【真人(トゥレイオ)】ですが、これは新生した新たな護り手の事で、ギエルハイムに光を齎すとされています。しかし、過去に成功した例は無く、ケイスとレイヴァンが始めて真人として新生した例かもしれません。元々備わっていた身体能力が飛躍的に上昇するばかりでなく、護り手の力、能力、知識をも加えた文字通り、真に近い人間なんです。ちなみにトゥレイオというのはギエルハイムの言葉です。トゥレイオは変化ではなく新生ですので、容姿も個人差はありますが原型とは異なったものになるというリスクもあります。

最後に、【レム】ですが、これはギエルハイムの言葉で【始まり】を意味していて、ケイス自身も、【何者】かに直接意識に語り掛けられ名付けられたのだというんです。詳しくは後々分かる事になりますんで、根気良く読んでいってくださいな。

これからも謎要素が増えるかもしれませんが、最後までお付き合いしていただければ解けて来ると思います。どうぞ宜しく!

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